考えよう、飢餓と食品ロスのこと。
国連WFPは10月1~31日の1カ月間、世界食料デーキャンペーン「Zero Hunger Challenge 食品ロス×飢餓ゼロ」を実施します。皆様のご参加が、飢餓をなくす支援につながります。詳しくはキャンペーンサイトへ
世界では、全人口76億人のうち9人に1人、約8億2100万人が飢えに苦しめられています。一方で、生産された食品の3分の1、13億トンあまりが捨てられていることをご存知でしょうか?
全世界で生産されている食料は毎年およそ40億トンと、全人口を賄うのに十分な量です。しかし先進国では余り物が捨てられ、開発途上国では貧困や気候変動、紛争などによって、食料が足りなくなる「食の不均衡」が起きています。
10月16日は、飢餓や栄養問題の解決策を目的とし、世界の食料問題について考える日として制定された「世界食料デー」です。食料デーをきっかけに、飢餓と食品ロスについて考えてみませんか。
先進国-経済的な豊かさが食品ロス招く
皆さんもご存知の通り、先進国では消費者自身や小売店など流通の「川下」の段階で、余った食品が捨てられています。食費が家計に占める割合がおおむね10%以下と低いため、無計画に食べ物を買い、余ったものを捨てても、あまり懐が痛まないせいもあるでしょう。また、あまりに食べ物が豊富にあるあまり、食品の品質や鮮度、見た目などに対する、店舗や消費者の基準が高すぎるのも一因です。
途上国-出荷前の農作物をやむなく廃棄
実は開発途上国でもまた、先進国と同様に3分の1程度の食品が捨てられています。途上国での食品廃棄は、生産農家が出荷前に傷んでしまった作物を廃棄せざるを得ないなど、主に「川上」の段階で起きています。農家の保存設備が不十分だったり、市場まで遠く、農作物の輸送手段がなかったりすることが主な原因です。
増える世界人口、先進国にも飢餓が波及?
食品が捨てられると、生産に使われた土地や水、労力、資材がすべて無駄になってしまいます。また処理に伴い発生する温室効果ガスは、干ばつなどの自然災害の一因となり、農業に打撃を与える悪循環が起こります。食品廃棄に伴う経済的損失(魚介類を除く)は、7500億米ドル(約84兆円)に達すると試算されています。これは日本の国家予算(100兆円弱)の8割を超える額です。
また、世界人口は増加し続けており、2050年には95億人にも達する見通しです。食品廃棄が続けば、飢餓は途上国から先進国へと広がりかねません。
日本の食品ロス、支援食料の1.7倍に
日本を見てみましょう。農林水産省の2015年度の調査によると、日本国内で生まれた食品ロスは646万トン(推計)。国連WFPが2017年に支援した食料の総量380万トンの、約1.7倍に当たります。
日本の食料自給率(カロリーベース)は、38%にすぎません。食品ロスを抑え、必要以上に食物を輸入しないようにすることは、食品を輸入に頼る国が果たすべき義務と言ってもいいでしょう。
野菜くずを炊き込みご飯に~国連WFP・ブラジル
国連WFPは食品ロスに対抗するため、世界各地で様々な取り組みを始めています。
途上国の農業地域では、貯蔵用の大型容器を農家に提供するほか、市場と農村をつなぐ道路などを整備。収穫した作物の保管期間を延ばし、市場へのアクセスを改善して、廃棄を防ごうとしています。
また、ブラジルでは野菜くずを使って作った炊き込みご飯を、国連WFPが支援する学校給食に取り入れました。記事はこちら
「世界食料デーキャンペーン」参加で飢餓をなくそう!
そして日本では、10月1~31日の1カ月間、世界食料デーキャンペーン「Zero Hunger Challenge 食品ロス×飢餓ゼロ」を実施します。
台所にある、食品ロスになりがちな食材(賞味期限の近づいた調味料、古くなった乾物、野菜の皮など)を調理し、その写真を「#ゼロハンガーレシピ」「#wfp」をつけて、インスタグラム、ツイッター、フェイスブックに投稿して下さい。
1投稿につき100円が、協力企業(※1)から国連WFPの食料支援に寄付されます。
キャンペーンにはたくさんの料理家の支援を頂いております。彼らの投稿に限り、「いいね!」やリツイート、シェアも寄付にカウントされます。お料理が苦手な方は、支援料理家への「いいね!」で協力いただくこともできます。
協力頂く主な料理家
枝元なほみさん、コウケンテツさん、山下春幸さん、大原千鶴さん、SHIORIさんなど。