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ベイルートの爆発から1年。人々の生活再建に寄り添う国連WFP

ベイルートの街を襲った大爆発から1年、経済危機の影響で復興への道のりは険しくなっています。
, Dana Houalla
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迫りくる飢餓の危機: 2020年8月、ベイルートの港の被害状況を調査する国連WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長。Photo: WFP/Malak Jaafar 

ジュマイゼ地区にあるダリダ・ハイカルさんの家族経営の店が、40年の時を経てようやく再開されました。親戚や友人の助けを借りて、ダリダさんは何十年も使われていなかった家を改装し、商品を並べることができたのです。

 

しかし、彼女の夢は長くは続きませんでした。再開から5年後、借金をほぼ完済した頃、ベイルートは大爆発に見舞われ、200人以上の死者と数千人の負傷者を出し、街の大半が壊滅しました。

 

ダリダの店もその中にありました。お客さんのためにパセリを摘んでいた彼女は一瞬にして、周囲に広がる混乱から逃れるために避難したのです。「すべてがお店の外に吹き飛ばされていました」と彼女は言います。「すべての商品が地面に散乱していたのです」。

5年間の努力とローンが無駄になりました。

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ベイルート港での爆発で負傷したダリダ。Photo: WFP

しかし、希望と決意に満ちたダリダは、負傷しながらも翌日から店の改装を始めました。「包帯を巻いていても、仕事をしていると、前よりも強くなったような気がしました。復帰したいと思ったんです」と語ります。国連WFPの支援により、ダリダは店を改装しただけでなく、これまで買えなかった商品を揃えることができました。

 

国連WFPレバノンは、被災した中小企業を支援するための新しい「食料システム助成制度」の一環として、賃金の支払い、損害の修復、棚の補充のための資金を提供しています。

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国連WFPの支援により、ダリダは改装と補充を行うことができました。Photo: WFP/Photolibrary

「国連WFPからの支援は、最も必要とされている時に、ちょうど良いタイミングで届きました」とダリアは言います。ドイツからの寄付により、国連WFPの支援は現在、レバノンの食料安全保障を支えるために重要な役割を果たしている222の被災した企業に対して行われています。

 

ベイルートを襲った大爆発から1年、レバノン中の何百万人もの人々を貧困に陥れた数ヶ月間の経済破綻を経て、国連WFPは現在、同国の6人に1人に支援を提供しており、これは国連WFPのレバノンでの活動としては過去最高となっています。レバノン国民の半数とシリア難民のほぼ全人口が厳しい貧困状態にあるとされている中、国連WFPは国内140万人に食料と現金の支援を行うため、支援の規模を拡大し続けています。

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爆風で大破したサルキスさんの家族経営の店。Photo: WFP/Photolibrary

サルキス ・バンパジアンもまた、爆風でパン屋が壊れ、国連WFPの支援を受けた店主の一人です。しかし、彼は将来を楽観視することはできません。「奇跡が起きるのを待っています」と彼は言います。

 

レバノンの経済危機は、すべての人に打撃を与えています。人々は家や収入源を失い、家族はおろか自分自身のためにも十分な食料を買うことができません。通貨はかつての15分の1にまで暴落し、人口の半分以上が貧困に陥っています。「結局、みんな同じ危機に陥っています」とサルキスは言います。「私が食材を買っていた商人は皆、必要なものは何でも持って行って後で払えと言っていたが、もうそんなことは言ってくれません」。

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何とかパン屋を再開したサルキスさん。Photo: WFP/Photolibrary

1970年代から80年代にかけての内戦で何度も被害を受け、余儀なくされた閉店を乗り越えてきたサルキスと彼のパン屋は、今回の爆発で振り出しに戻ってしまいました。

 

国連WFPの支援により、少しずつではありますが、確実にお店を修復し、ある程度の立ち直りを果たすことができました。しかし、作業効率は爆発前の25%にとどまっており、いつか元通りになることを願って、パン屋のドアを開け続けています。サルキスのような人にとって、この店は単なる収入源ではありません。この店は彼自身の一部なのです。「開店する理由がないのに、開店しているのです。残されたものとともにここに居続けることを決めました。これは私のビジネスです。私の魂はここにある。私はこの仕事のために生まれてきたのです。」

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