ギニアビサウ:障がいのある子どもが勉学に励む姿に、親は誇りを感じます
アダマ・バルデさんは笑顔で朝の食事のベルを鳴らします。
この視覚障がいのある14歳の少女は、杖を使って、蒸米とソースの料理が出される、ギニアビサウの首都にあるベンガル・ブランカ学校の裏にある学校食堂に向かっています。
「学校給食は私に体力を与え、授業の集中力を高めてくれます」と、コンクリートのベンチに座って食事を味わいながらアダマさんは話します。
この西アフリカの国の公用語であるポルトガル語で「白い杖」と訳されるベンガラ・ブランカ学校は、同国初の共生教育学校であり、障がいのある子どももない子どもも一緒に学ぶことができます。
この寄宿学校は、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)、ギニアビサウ政府、国際的な非政府組織であるヒューマニティ&インクルージョンが展開している広範な取り組みの一部であり、障がいのある子どもたちが公立学校制度を利用できるようにするとともに、国連WFPの栄養豊富な学校給食を提供しています。
この取り組みでは、「障壁のない教育」プロジェクトを策定し、ギニアビサウやその他の地域において、障がいのある子どもたちが健康で成功した大人になる機会をしばしば阻害している、根深い偏見と不平等な扱いの改善に取り組むことを目的としています。
「生まれつき障がいがある子どもは学校に入れられず、病院にも連れて行かれません」こう語るのは、国連WFPと協力して学校で障がいのある子どもたちを特定し、より適切に共生を実現するための組織、「ギニアビサウ障がい者擁護促進連盟」の会長であるラザロ・バルボサさんです。
バルボサさんらによれば、障がいを持つ子どもを持つことを呪い、あるいは魔術と結びつけて考え、子どもを隠そうとする親や、捨てる親もいるとのことです。
「両親は私のことを悪魔だと思っていて、村人たちからバカにされるのを嫌がっていました。」こう話すのはプログラムに参加した小学6年生の一人です(保護のため身元が明かされていません)。「でも今は、両親に私を誇りに思ってもらいたいと思っています。私はフランス語の先生になるつもりですから」
全年齢対象の学校
ギニアビサウでは、栄養豊富な給食のおかげもあって、国連WFPがパートナー機関と協力してあらゆる年齢の障がい者が学校に通えるようになりましたが、これはギニアビサウだけではありません。例えば、ベネズエラでは、昨年開始された国連WFPの学校給食支援が、現在、8州の300の学校で15,000人以上の子ども、青少年、成人とその家族に提供されています。
その中には、認知障がいがあり、現在、生涯で初めての学校生活を送っている52歳のルイス・エンリケさんがいます。
「遅すぎると言う人もいますが、私はそうは思いません。今では、私がいなくなっても彼はうまくやれると信じています」、彼の父親であり介護者でもある72歳のルイス・ガルシアさんはこう話します。
ギニアビサウでは、5歳から17歳までの子どもの推定16%が何らかの障がいを抱えて生活しており、保健、教育、社会的支援、その他のサービスへのアクセスは極めて限られています。
このことが、子どもたちへの質の高い教育が一層重要である理由だと、サハラ以南のアフリカ10か国の障がい者が直面している障壁に関する世界銀行の調査(英語のサイトへジャンプします)は結論づけています。
クロード・カクレ国連WFPギニアビサウ事務所代表はこう語ります。「私たちは、いかなる子どもも、教育システムから取り残されたり、十分な栄養を与えられないまま放置されたりしたくありません。障がいのある子どもたちには可能性があり、適切なサポートが必要なだけなのです」。
2020年に開始された「障壁のない教育」プロジェクトは、現在、国連WFPの学校給食支援の対象となっているギニアビサウの852校すべてに行き渡っています。私たちとパートナー機関は現在、障がいのある子どもたちをより適切に特定し支援するために、全国の障がいのある子どもたちの地図を作成するなど、共生教育をより適切に支援する他の方法も検討しています。
国連WFPはまた、パートナー機関やギニアビサウの教育省と協力して、共生教育のためのブルキナファソでの同様の取り組みから直接学んだスタッフとともに、特別政府理事会を設立しました。
新しく設立された共生教育局のマヌエル・マラム・ジャフォノ局長は、「集中的なこの取り組みによって、私たちは国内に障がい者のための特別な学校教育プログラムを設置する必要性を認識することができました」と語ります。
国連WFPはまた、バルボサ会長のリーダーシップの下、障がいのある子どもたちの教育やその他の基本的な権利を擁護する市民団体の能力構築の取り組みにも参加しています。
「これらの子どもたちは、国の発展に貢献できるよう、教育を受ける権利があります」とバルボサ会長は言います。また、ギニアビサウ障がい者擁護促進連盟は、障がいを持つ子どもたちを学校に通わせるよう、より多くの親たちに啓発キャンペーンを展開する予定だと、バルボサ会長は付け加えます。
食料支援を中心に据えて
若者とその親に対する食料支援が国連WFPの目標の中心であり、それには、障がいを持つ生徒のための持ち帰り配給も含まれます。これは飢餓に対する緩衝材となります。また特に弱い立場にある家族に対する初期の現金支援も実施しています。
「このプログラムがいつか終了することになれば、すでに人生に傷ついた子どもたちにとっては、再度見捨てられるようなものでしょう」こう語るのは、ベンガラ・ブランカ校で視覚障がい生徒の指導助手をしているアイサトゥ・ジャロさんです。ジャロさん自身もこの学校を卒業し、大学の学位を取得しました。
マリポサ校(首都ビサウにある、聴覚と言語に障がいのある生徒を対象にした教育を提供するもう一つの学校)では、国連WFPは生徒たちに学校菜園を設置するための訓練を行っています。彼らが収穫した果物や野菜は、学校給食に栄養の多様性を与え、保健・栄養プログラムを学校に導入しようとする政府の幅広い取り組みを支援しています。
「以前は、仕事に就くために学校を途中でやめたりして、生徒がいなくなることがありました。」と、マリポサ校のアマレ・ソアレス校長は言います。「でも今は、学校で受ける技術訓練に加えて、このプログラムのおかげで、生徒たちは自分たちの食事のために庭を作り、維持する方法を学ぶことができます」