ブルンジ: 子どもたちの食生活を支える日本の魚缶
ブルンジ北部のムインガにある小学校に通う14歳のニィビツィは、「金融関係の仕事に就いて、家族に良い生活をさせたい」と話します。
国連WFPはブルンジの700以上の学校で50万人以上の生徒を対象に、いわゆる地産食材による学校給食で、米、トウモロコシ粉、豆、葉野菜などを提供しています。ニィビツィもそのうちの一人です。
これは、国連WFPが推進しているコミュニティの強靭性の構築の一形態で、コミュニティが完全に自立するために必要な農業技術と資源を提供し、作物を栽培することで、子どもたちに多様な食事を提供するために必要な食材を学校に供給しています。
しかし、すべての食料が国産ではなく、植物性でもありません。
2019年以降、日本政府は支援を拡大し、学校の子どもたちに、魚を提供しています。
タンパク質、ビタミン、ミネラルを多く含むサバは、ブルンジのブジュンブラ、キルンド、ムインガといった食料不安のある地域に住む27万人の子どもたちにとって、ありがたい追加の食材となっています。
キルンドとムインガの5歳以下の子どもの栄養不良率は、それぞれ57%と62%に達しています。
ニィビツィの両親は、彼の学校から5キロ離れた場所に住む小規模農家です。この家庭では1日1食が当たり前で、温かい学校給食を食べられることが、彼が長い距離を歩いて学校に通うモチベーションになっています。
「学校で食べる給食が好きで、特に魚と豆の料理が好きです。」と彼は言います。「毎日魚を食べていたら、たとえ病気になっても学校を休むことはないと思います」
アミナ・ニヨムキザ もギサンゼ小学校の生徒です。彼女は、学校を卒業して大学で学び、いずれは政府や大統領府で働きたいと考えています。
しかし、6人兄弟の末っ子である彼女の夢は、家族全員が共有しているわけではありません。彼女の兄弟のうち3人はすでに学校を退学しています。
「一人目は仕事を探しにタンザニアへ、二人目は結婚し、もう一人はどこにいるのかわかりません」と彼女は言います。
ニィビツィやアミナのように、わずかな土地で多くの人を養っている農村部の家族にとって、健康的でバランスのとれた食生活を維持することは大変なことです。国連WFPの学校給食プログラムは、栄養を通して教育へのアクセスを促進し、貧困と栄養不良の悪循環を断ち切ることを目的としています。
国連WFPブルンジ事務所の栄養士であるニアムケ・エゾウア・コジョは、「サバには、子どもたちの身体的・知的成長に重要なタンパク質が含まれています」と語ります。
「脳の発達に欠かせないオメガ3脂肪酸や、骨の成長を確保するビタミンやミネラルも豊富に含まれています。」
昨年、ブルンジ政府は学校給食プログラムに250万米ドルを拠出しました。ブルンジ政府は、学校給食を同国の社会的弱者にとって最大かつ最も重要なセーフティネットと位置づけています。
前駐ブルンジ日本大使 宮下孝之氏は次のように述べています。「学校給食プログラムは、ブルンジの次世代のためのかけがえのない投資です。食料安全保障は日本政府が重視している主要な柱の一つであり、その実現のために国連WFPを支援できることを嬉しく思います」と述べています。
ブルンジのこの地域の学生が直面している多くの課題にもかかわらず、ムインガは、2020年に行われた9年生(15歳から18歳)の全国試験の結果で2位となりました。前2年の8位、9位から成績を伸ばしています。