支援物資の輸送が最大の課題
ポルトープランスで支援にあたっているWFP職員と話すシーラン事務局長
(c)WFP/Marco Frattini
WFPはハイチの5ヶ所に物流拠点を設け、陸海空から支援物資を運び入れている。しかし、地震によって道路や通信網は寸断、WFPの倉庫も倒壊し、空港や港を修繕しながら物資を輸送しなければならない。
先週末、物流拠点があるドミニカ共和国には3機のヘリコプターが到着。また、25日(月)には75台のトラックがドミニカ共和国からハイチに到着する予定。海岸に直接着岸できる特別な船舶も出動させるなど、あらゆる手を尽くしてはいるが、WFPの物資輸送チームとっては「物流の悪夢」とも言うべき、きわめて活動が困難な状態が続いている。
200万人を対象としたWFPのハイチでの食糧支援活動には、向こう6ヶ月で2億7,900万ドルが必要の見込み。地震発生から1月25日までの間に、WFPは首都ポルトープランスとその周辺の地域で40万人に260万食の食糧を配給した。WFPのスタッフは24時間体制で支援活動にあたっており、当面、1 日につき10万人に5日分の食糧を配給していく予定。配給している食糧は主に高カロリービスケットなどの非常食だが、孤児院や病院では、米、豆、植物油、塩なども配給している。
ハイチの支援活動には寄付が集まりつつあるが、シーラン事務局長はまだ十分ではないとしている。「最善の努力を尽くしてはいるものの、被害の規模があまりにも甚大で、今後、どのようにしたら迅速に支援活動を拡大していけるかが問題だ」とシーラン事務局長は話している。
こうした中、1月22日、100名以上の著名人が参加し、ハイチ支援を呼びかけるチャリティ番組、「Hope For Haiti Now」がて開催された。番組は俳優のジョージ・クルーニーと、WFPのセレブリティ・パートナーでハイチ人ミュージシャンのワイクリフ・ジョンが呼びかけ、実現した。WFPは番組 で集まった募金の寄付先7団体の一つ。番組にはWFPの飢餓撲滅大使を務めるドリュー・バリモアをはじめ、WFPオフィシャルサポーターのクリスティーナ・アギレラ、ウィル・スミス、シェリル・クロウ、ペネロペ・クルズらが出演、ハイチへの支援を呼びかけ、番組放送24時間以内に50億円以上の寄付が集まった。