WFP、南部レバノンに向けて最初の国連トラック連隊を派遣
ベイルート発−WFP国連世界食糧計画は本日、食糧や医薬品が積まれた最初の国連トラック連隊をベイルートから、紛争の被害を最も受け、家を追われた多くの人が避難生活をしているレバノン南部の港町ティールに向けて派遣した。
「何千人もの人がティールから避難した一方で、数十万人の人々は自家用車に入れるガソリンが不足し、運賃が高騰したタクシーに乗ることができず、食糧不足という問題を抱え、ティールに残っている。彼らが安全に避難できる保障はない。状況が更に悪化する前に、こういった人々を助けなければならない」と、WFPレバノンの緊急活動調整官アマール・ダオウディは言う。
フェニキア人により建設されたティールは世界最古の街の一つであり、ベイルートより83キロ南に位置する。距離は然程遠くないものの、道路や橋を含む公共社会設備が広範囲にわたり破壊され、また商業トラックが襲撃を受けており、救援活動には障壁が多い。WFPは、このように危険な道路を走行してくれるトラックの連隊と、運転手を動員することができた。
「我々は紛争当事者との間で、安全に通行できるよう約束し、彼らがその約束を守ってくれると信じている。このトラック連隊は陸路を開く重要な役割を果たし、今後数日間にわたって更にトラック連隊を派遣する予定だ」とダオウディ氏は加えた。
南部では治安状況が不安定であったため、支援団体がこの地域で状況把握・ニーズ測定をすることは今までほぼ不可能であった。物価の高騰に伴ってあらゆる公共サービスが深刻に欠如しており、人道状況の今まで以上の悪化が懸念されている。この地域の多くの人々は、以前から貧困ライン以下の生活を送っており、経済は完全に停滞してしまった。
トラック10台で構成されているトラック連隊は、レバノン政府が寄付した90トンの小麦粉と、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機構(WHO)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が供給する4台分の物資を運ぶ。
あらゆる緊急事態と同様、救援活動の成功はトラック運送、倉庫保管、情報伝達を含む後方支援の早急な整備にかかっている。WFPは全ての国連諸機関の後方支援を担っている。その後方支援活動は3,800万ドルに上り、月曜日に発表された国連緊急要請の4分の1以上を占めている。WFPは一月に12,000トンの食糧と食糧以外の支援物資配給を予定しており、国連諸機関、NGOや国際機関に国連のトラック連隊を提供する。
この紛争では、50万人が家を追われ、社会施設の損傷、重要な物資やサービスの供給の不足を招いた。WFPは既に25トンの栄養強化ビスケットをベイルート周辺の95,000人の家を追われた人々に支給を始めた。
国連緊急要請の一部を成すWFPの活動は総額4,800万ドルに達し、そのうち後方支援と緊急食糧支援活動が890万ドルを占めている。WFPは、最も支援が必要なベイルートで学校や公共施設に避難している95,000人、紛争の影響を最も受けた南部レバノンの165,000人、そして紛争から逃れるためにシリアに避難した約140,000人中の50,000人に対し優先的に支援を行う。