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WFP、キルギス危機で食糧支援を拡大

ビシュケク発:WFPはキルギス共和国での人道危機を受け、食糧配給の拡大を決定した。食糧と医療品が避難民の元に届くよう、各方面に協力を呼びかける。

ジョゼット・シーランWFP事務局長は、「多くの人々が避難を余儀なくされたり、食糧も水もないままオシ市内に閉じ込められています。一刻の猶予もありません」と語り、キルギスおよび難民が押し寄せている隣国のウズベキスタンに食糧を空輸し、食糧配給の拡大をすると発表した。

WFPは、17日と18日、現地の連携機関との協力のもと、栄養強化された小麦粉100トン、植物油3トンをオシ市内で配給した。これは、2週間分の食糧に相当する。同じく18日には、赤十字国際委員会が、病院や市内避難民キャンプにおいて小麦粉40トンと植物油11トン(10万人の1日分の食糧に相当)を配  給。19日にも更に食糧が配給される予定。

20日からは、ドバイの備蓄倉庫からオシ市やウズベキスタンのアンディジャン州に向けて、110トンの栄養強化ビスケットを空輸する。これは20万6千人1日分の食糧に相当する。栄養強化ビスケットは、調理が不要で運搬が容易なため、緊急支援の初期に配給されることが多い。

WFPは、500万人以上を対象とした緊急食糧支援と、人道支援機関へ対する物資輸送及び緊急情報通信サービス提供のため、それぞれ1,900万ドルと160万ドルの緊急支援を国際社会に呼びかけている。

また、キルギスに駐在する国連諸機関は、人道支援物資やスタッフが到着するオシ市の空港に合同で活動拠点を設置する。WFPの倉庫は、オシ市内でも最も危険とされる場所の一つに位置し、物資の輸送は大きな危険を伴う。首都ビシュケク市からの道路も安全ではなく、現地の輸送会社が輸送したがらないため、食糧配給は困難を極めている。

ウズベク・キルギス間の民族衝突は6月10日に始まった。現時点では、10万人以上が国外に避難し、30万人が国内避難民となっている。