WFP、キルギスで緊急支援開始
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ビシュケク発
WFPはキルギス共和国で人道危機が発生したことを受け、緊急支援を開始するとともに、オシ市などへの支援物資の輸送を妨げることのないよう、各方面に要請した。
ジョゼット・シーランWFP事務局長は、「情勢は急速に悪化しています。女性や子どもなど弱い立場にある人々が苦しむことのないよう、WFPは総力を挙げて支援に当たる所存です。衝突に巻き込まれ身動きが取れなくなった人たちに支援物資をきちんと届けられるよう、各方面に協力をお願いします」と述べた。
オシ市の商店にはもはや食料がなく、WFPの食糧倉庫へ人々が集まってきている状態と伝えられる中、WFPは地元当局と連携し、食糧配給に乗り出した。
しかし、首都ビシュケク市からオシ市への道路は安全とは言えないため、食糧を運んでくれる運送会社がなかなか見つからず、支援活動は困難を極めている。
現在、WFPはキルギス国内に3000トンの備蓄食糧(主に、小麦および植物油)を持っている。これは8万7千人の2か月分の食糧に相当する。WFPは、安全かつスムーズに食糧を輸送できる限りは、食料難に陥った人々に対する支援活動を行っていく予定。
隣国ウズベキスタンとの国境には、女性・子どもを中心に7万人の避難民が押し寄せているため、WFPはキルギス・ウズベキスタン両国で支援活動を行う準備を進めている。また、イタリアにある国連人道支援物資備蓄庫からは、要請があり次第、すみやかに支援物資や、支援活動を行うのに必要な道具を空輸できるよう、体制を強化している。
WFPは2008年以来、厳寒期を中心にキルギスでの支援を開始。去年は、26万4千人に食糧を配給した。