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リオ+20 国連持続可能な開発会議:私たちが望む未来

「リオ+20」とは、1992年のリオ地球サミットから20周年にあたる2012年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催される「国連持続可能な開発会議」の略称です。リオ+20会議では、世界の指導者が民間企業、NGOなどのグループを代表する参加者と一堂に会し、過密化が進む地球で、私たちがどのように貧困を削減し、社会的公正を実現し、環境保護を推進できるかについて話し合います。

公式協議では、持続可能な開発を達成し、人々を貧困から救い出すには、どのようにグリーン経済を構築すればよいのか、および、持続可能な開発に向けた国際的な枠組みをどう改善すべきか、という2つがメインテーマとなります。分野別に対話が行われますが、「食糧と栄養」も大きな課題の一つとなっています。

現在、地球の土壌、淡水、海洋、森林、そして生物多様性は急速に劣化しています。気候変動は私たちが依存する資源への圧力を強めており、干ばつや洪水など、災害に関連するリスクが高まっています。また、気候変動などの影響により世界各地で不作が続き、食糧危機も深刻化しています。飢餓に苦しむ人々は現時点で9億2,500万人に上るほか、2050年までにさらに20億人の人口増が見込まれています。これらの人々に食料を供給するためには、グローバルな食料・農業のシステムを根本的に変える必要があります。

WFPでは飢餓を撲滅させることは持続可能な発展の前提だと考えています。貧困と飢えに人々が苦しめられていては、子供たちは学校に通うことも医者にかかることもできず、グリーン経済や持続可能な開発は不可能です。

現在、世界の人口の8割はなんの社会保障も受けていません。飢餓と貧困が世代を超えて引き継がれる悪循環を断ち切るため、最貧困層のセーフティーネットとして栄養強化食品や学校給食を提供することが重要です。また、WFPは乳幼児や妊娠・授乳中の女性などへ栄養強化のための食糧配給なども行っています。世界の農業従事者の大部分は女性であるため、このような支援を通して農家の女性の能力を伸ばすことは持続可能な開発にも繋がります。

さらに、WFPは地域の持続可能な発展と自立のため、道路や井戸等の生活基盤の建設・修復工事なども支援し、地元住民に労働を呼びかけています。人々には労働の見返りとして食糧が提供されます。また、途上国の地域経済を活性化させるために、「前進のための食糧購入」(Purchase For Progress、略称P4P)というプロジェクトを実施しています。これは途上国の小規模農家から余剰作物を適正な価格で買い取り、それを食糧支援に 用いるというものです。このようにセーフティーネットや農業に必要なインフラを築くことによって、豊作の時のみならず不作の時にも人々が安定した食糧供給を得ることができ、災害があっても自力で立ち直れるような地域社会をつくることができます。

農業は世界最大の雇用産業として、現在、世界人口の40%にあたる人々の生計を支えています。農業や食糧問題の解決が開発問題の鍵を握っています。

リオ+20について詳しくはこちら:http://unic.or.jp/rio20/