Skip to main content

日本政府、WFPを通じてスーダンに平和構築のための緊急食糧支援 (和文)

{SUMMARY TODO}

日本政府、WFPを通じてスーダンに平和構築のための緊急食糧支援

横浜発 –日本政府は1日、20年に及ぶ内戦で甚大な被害を受けたスーダンの人々に対する緊急食糧援助として、WFP 国連世界食糧計画を通じて総額1300万米ドル(約15億3千万円)を拠出することを決定した。

今回の拠出金でWFPは約1万4千トンのソルガム(とうもろこしの一種)を購入予定。これは、180万人の1か月分の食糧に相当し、ダルフールやスーダン南部などの地域における国内避難民や、故郷に戻ってくる帰還民、栄養不良に苦しむ人々への食糧援助に活用される。

WFP事務局長のジェームス・モリスは、「WFPは日本政府からの支援に心から感謝する。これはアフリカにおける平和構築と人間の安全保障を達成しようとする日本政府の固い決意を表すものだ。」と述べ、謝意を表明した。

WFP日本事務所の玉村美保子代表は、「今回の拠出は、内戦で疲弊したダルフールでの人道支援活動を促進し、南部に帰郷する人々が地域社会を立て直し、平和を構築する上で、大きな礎になるものだ。」と述べ、日本政府からの支援を評価した。

スーダンでは南北に分かれての内戦が20年以上続き、これまでに150万人が死亡、400万人が避難民となった。昨年1月に南北間で包括的和平合意が成立し、復興へと向かう一方、今年5月に和平合意が結ばれたダルフール情勢は予断を許さない。治安が悪化しており、紛争ですでに疲弊しきった300万人の住民はさらなる窮状に陥っている。

重要な転換期を迎えたスーダンを支えるべく、WFPは今年スーダンに年間予算の約3分の1を費やし、世界最大の事業を展開してきた。しかし、来年4月までに必要となる15万トンの食糧の購入および雨季が始まる3月までに食糧を事前配置する必要性を鑑みると、現在まだ1億5千2百万米ドル(約176億3千万円)が不足している。

WFPは南部における平和構築において重要な役割を果たしている。避難先から故郷に戻ってきた人々にとって、WFPが行っている食糧援助と道路建設事業は、「和平の配当」として実感できる非常に重要なものとなっている。

また、WFPは南部においてJICAやNGOなど、日本のパートナーとも強固な関係を築いている。WFPはJICAが運営する職業訓練所へ食糧援助を行っているほか、職業訓練やコミュニティインフラ整備事業などを通じて日本のNGOとも協力を進めている。

今年、日本政府からのWFPスーダン事業に対する拠出はこれで二回目となる。7月には約850万ドル(9億8千万円)が拠出され、WFPを通じた日本政府からスーダンに対する2006年食糧援助の合計額はこれで2150万ドル(約25億4千万円)となった。