日本政府、ソマリア・モガディシュの国連WFP支援現場を訪問
モガディシュ市内の食糧炊き出し所を視察する在ケニア日本国大使館(ソマリア兼轄)の山田洋一郎公使
日本政府は、昨年初頭から国連WFPのソマリアにおける活動に対し、1,500万米ドル以上を拠出している。日本からの支援は、緊急食糧支援や、栄養強化プログラム、インフラの修繕プログラムなどに活用されている。
今回の訪問で山田公使は、国連WFPの倉庫で行われた食糧の贈呈式に参加。国連WFPソマリア事務所代表のステファノ・ポレッティは、「日本政府からソマリアの人々への寛大かつ揺るぎないご支援に、心より感謝いたします。国連WFPはこのご支援により、ソマリアの最も弱い立場にある人々へ食糧支援を届けることができます」と語った。「昨年の飢饉は去りましたが、まだまだ予断を許さない状況です。今後も人々の生活と命を守る食糧支援や、干ばつなどの災害から回復する能力を高める支援を続けていくことが、極めて重要です」と加えた。
食糧の贈呈式で国連WFPソマリア事務所代表のステファノ・ポレッティと握手する山田公使
日本政府の代表団は、日本からの支援で整備された港湾の管制塔も視察した。この港湾の整備により、より多くの食糧や支援物資が安全にソマリアへ届けられるようになった。代表団はさらに、モガディシュ市内の食糧炊き出し所を視察。山田公使はここで、国連WFPが用意した食事を受け取るソマリアの人々と交流した。国連WFPはこのような炊き出し所を、モガディシュ市内で23ヵ所、展開している。
日本政府からの支援により整備された管制塔
ソマリアの子供たちと交流するポレッティ代表と山田公使
視察を終えた山田公使は次のように話している。「国際社会は、来月ソマリアが暫定政府期間を終えた後、新しい時代を切り開いていくことを期待しています。新しい体制のもと、より多くの食糧が生産され、食糧の保管や配給がより効率的に行われるようになることを願っています。農業の発展はソマリアの人々の生活に資するものであり、日本政府はこれに向け、ソマリアの人々と協働していく所存です。」
国連WFPは昨年7月以降、ソマリア国内のアクセスのある地域において150万人に食糧支援を実施している。
Photos:(c) WFP/Susannah Nicol