ニジェール、食糧価格の急騰で忍び寄る食糧危機
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ニアメ発
アフリカ西部の国ニジェールでは、本来であれば、収穫直後の今が最も食糧価格が安い時期にあたる。しかし、今年は農作物の不作により、食糧価格が急騰し、多くの人が飢餓に陥る懸念がある。食糧危機の拡大を抑えるため、WFPは300万人を対象とした、緊急食糧支援を計画している。
WFPのニジェール事務所長、デニス・ブラウンは、「稀にみる食糧価格の高騰によって、最も弱い立場にいる人々が食糧不足に苦しんでいます。今後、事態がさらに悪化していくのをただ見ているわけには行きません」と訴えている。
この時期ニジェールでは、本来であれば収穫直後で、キビなど、ニジェールの人々が主食とする穀物などが最も安い価格で手に入る時期だ。しかし今年は干ばつによる不作により、価格が大幅に高騰している。今年10月、ニジェール第3の都市マラディでは、キビ100キロは29ドルで売られていた。しかし今は、価格は41ドルまで跳ね上がっている。専門家は、前年と比べてキビの値段は37%も上昇したと指摘する。
6人の子どもを持つ農家のイブラヒムさんは、「今季に収穫できた食糧は、2ヶ月もたてば底をついてしまいます。買おうにも、高くて買えません。ナイジェリアへ出稼ぎに行くしかありません」と事態の深刻さを語った。
ニジェール政府によると、現在およそ75万人のニジェールの人々が極度の食糧不足に苦しんでいる。その数は、例年食糧の在庫が少なくなる3月から4月が近づくにつれ、100万人に達することが予想されている。この確実に忍び寄る食糧危機に対しWFPでは、330万人余りを対象とした食糧支援活動を計画し、人々の命を救うべく準備を進めている。