ネパール地震 食糧と救援物資を積み被災地へ急行
国連WFPは、食糧を必要としている140万人を対象に、今後3ヶ月間、食糧支援を行う計画です。活動にかかる費用は1億1,650万米ドル(およそ約140億円)と見積もられています。
地震発生前よりネパール国内に備蓄していた米を、29日にはゴルカで配り始める予定で、食糧を積んだ国連WFPのトラックがすでにゴルカに入っています。しかし、道路状況が悪く地滑りも発生するため、被災地への道のりは困難です。特にアクセスが難しい奥地の村には、ヘリコプターを飛ばして食糧を届ける予定です。今後数日間の間に、バングラデシュやドバイから、栄養強化ビスケットなどの緊急支援用の食糧がネパールに着く予定です。
また、国連WFPは、他団体の支援要員や救援物資の輸送をサポートしています。昨日は、マレーシアで国連WFPが運営する国連人道支援物資備蓄庫から、仮設病院や医療用品、支援要員が到着しました。
ピッパ・ブラッドフォード国連WFPネパール事務所長は、次のように述べています。「ネパールの皆様のご心痛はいかばかりかと、深くお察し申し上げます。国連WFPのネパール人職員や国際職員の中にも、親しい人を亡くした者がおります。仕事を行うにも非常に困難な状況ですが、我々国連WFP職員一同は、支援を必要とする人たちのために、全力で任務に当たっています。いかに食糧を早く届けられるか、時間とのたたかいです。」
国連WFPは食糧支援以外の活動も行っています。支援の世界で「物流のリーダー」の役割を担う国連WFPは、ネパールで支援活動を行うさまざまな支援団体に対して、救援物資の輸送をサポートする物流サービスを提供しています。最も被害が深刻な地域に、諸団体の支援要員や救援物資を運ぶため、近日中にヘリコプター2機の運用を始める方向です。
また、国連WFPはカトマンズにあるトリブバン国際空港において、各方面からネパールに押し寄せる救援物資を受け入れ、被災地に向け適切に発送するための支援拠点を運営しています。この物流拠点は、今回のような緊急事態に対応するため、ネパール政府と国連WFPが防災の一環として計画を進め、数年間の準備期間を経て、先月に完成したばかりでした。
さらに、国連WFPは支援の世界において「情報通信のリーダー」も務めており、さまざまな支援団体に対して情報通信サービスを提供しています。
このように、さまざまな支援団体の活動を支えるための物流サポート業務や、旅客・貨物の航空サービス、情報通信サービスを今後3ヶ月間行うため、国連WFPは3400万ドル(約41億円)を必要としています。
今回の地震で800万人が被災したと見られています。国連WFPが衛星画像と既存のデータを分析した初期調査では、重点地域でおよそ140万人々が緊急に食糧支援を必要としていると推定されています。国連WFPの5つのチームが11地域において、これらの結果を検証する現地調査を行っています。
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