南スーダンで飢きんのおそれ 紛争地域への即時アクセス求める
ジュバ発―
国連WFP、ユニセフ(国連児童基金)と、FAO(国連食糧農業機関)の3機関は、南スーダン全土で390万人が深刻な食糧難に直面していると発表しました。
最新の「総合的食料安全保障レベル分類」(Integrated Food Security Phase Classification, 略称IPC)の報告によると、ユニティ州では少なくとも3万人が極限状態に置かれ、餓死の危機に瀕しています。3機関は紛争当事者に対し、人道支援を行えるよう、即刻かつ無制限のユニティ州へのアクセスを許可するよう求めています。これほど深刻な状態に陥ったのは、約2年前に紛争が始まって以来、初めてのことです。
国連WFP南スーダン事務所長のジョイス・ルマは「通常なら今は収穫を迎え食糧事情がよくなる時期なのですが、ユニティ州南部などは非常に深刻な状況にあります。南スーダンの人々が生き、生活を再建するには、平和や栄養のある食糧、その他の人道支援が必要です。」と述べました。
即刻、無制限の人道的アクセスが得られなければ、激しい戦闘により数カ月にわたり人道支援が途絶えているユニティ州の一部の地域では、飢きんが発生しかねない、と3機関は警鐘を鳴らします。
ユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは「戦闘が始まって以降、紛争や病気、恐怖、飢餓が子どもたちを襲い続けています。子どもたちを守るため、家族は全力を尽くしてきましたが、限界です。無制限の人道的アクセスが許可されれば、我々が助けに入ることができますが、さもなければ、更に多くの子どもが命を落とします。」と言います。
IPCのレポートによると、390万人が南スーダン全土で深刻な食糧難に直面しています。その数は、収穫期を迎え多少、減少しましたが、昨年の同じ時期と比べて1.8倍に増加しています。紛争の直接の被害を受けていない州においても、食糧・燃料価格の高騰やインフレ、降水量の変動、生計手段の断絶などの長期的な影響を受けています。
紛争の直接の影響下にある、ジョングレイ州、上ナイル州、ユニティ州では、今年9月時点で、5歳未満児の全急性栄養不良(Global Acute Malnutrition - GAM)の割合が緊急事態を示す値を超え、南スーダンの栄養不足は深刻であるとIPCは強調しています。
国連WFP・UNICEF・FAOは、他国連機関やNGOパートナーと共に、食糧、栄養支援、緊急の生活支援を行っています。人道支援が届きにくい遠隔地にも、即応チームによる支援が届けられています。3機関は、南スーダンへの支援を続け拡大していくために必要な支援を国際社会に求めています。
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