南スーダン 2分にひとり、重度の栄養不良に - 国連WFPとユニセフ、共同栄養支援を拡大

国連WFP、ユニセフ共同支援を拡大 
国連WFPとユニセフは9日、南スーダンで実施している共同の栄養支援計画をさらに強化することを発表しました。この計画では、両機関とパートナー団体は、200万人以上の南スーダンの子どもや妊産婦を対象に、2016年5月まで、急性栄養不良の予防と治療ケアのための支援を行うとしています。両機関の共同の栄養支援活動は昨年に始まり、2年目に入るにあたって、人々の命を守るこの活動を拡大することを決めたのです。
「南スーダンでは、2分にひとり、新たに子どもが重度の栄養不良に陥っています。昨年、我々は飢饉を回避することができました。そしていま、幼い命を失う悲劇を防ぐため、さらに努力しなければなりません」とユニセフ・南スーダン事務所代表のジョナサン・ヴェイチは述べました。
共同戦略の改定案に添えられている報告書によると、両機関は活動初年度に、紛争地帯への共同即応チームの派遣や非戦闘地域での支援強化など革新的な手法によって同国内で100万人に支援を届け、飢饉の回避や人命救助につながりました。

南スーダン全土で栄養支援を 
国連WFP南スーダン事務所代表のジョイス・ルマは、「1年目は、大変厳しい条件の中で、南スーダンのできる限り多くの場所で、できる限り多くの人々に、本当に必要な栄養支援を届けるために活動しました。引き続き、栄養不良の予防と治療ケアを続けるため、栄養支援の質の改善を行いたいと考えています」と話しました。 
共同栄養支援計画は、南スーダンの全ての州を対象にしています。計画では、地方や政府のパートナー団体との連携を増やし、栄養治療ケアの対応能力の向上を目指します。また、貧困や適切な水と衛生、乳幼児への食事の与え方など、栄養不良の根本原因にも対応していきます。

25万人の子どもが重度の栄養不良 
南スーダンの栄養不良は近年の緊急的な問題であると同時に、この国が抱える慢性的な課題でもあります。次の世代の健康を守るために、栄養不良の予防と、急性栄養不良から命を守る質の高い対応の両方に注力する必要があります。 
南スーダンは、上ナイル州、ワラップ州、北バハル・エル・ガザール州をはじめ国のほとんどの地域で、栄養不良率が緊急事態の指標となる15％を超えており、25万人の子どもが重度の栄養不良に苦しんでいます。

戦闘が続き、困難に直面する人道支援 
8月に実現した和平合意は、人々に新しい国への希望をもたらしましたが、保健や栄養の基本サービスはいまだ国民のほとんどに届いていません。4月以来、激しい戦闘によって何十万人もの人々が身を守るために森や湿地に逃げ込んでいますが、そうした場所では人道支援すら届きません。そしてこの1年で再建した病院や安全な水、栄養治療ケアのための外来施設や入院施設などの基本サービスは、破壊されてしまいました。 
2013年12月に紛争が勃発して以来、南スーダンでは200万人以上の人々が家を追われ、その半数以上は子どもです。人道支援機関は、こうした紛争の影響を受けている人々に継続的に栄養支援を行っていく上で、いまも困難に直面しています。 
ユニセフと国連WFPによる南スーダンでの栄養支援は、欧州委員会、日本、ノルウェー、スイス、英国、米国などの支援によって行われています。

（このニュース・リリースは、日本ユニセフ協会により翻訳された原稿に若干の変更を加えたものです。）

＜これまでの記事＞

日本の支援が南スーダンの子どもたちを救う
支援最前線の南スーダンでスタッフ4名が殉職
南スーダンで飢餓状況悪化の調査結果　国連WFPが支援拡大
日本の支援により南スーダンで食糧支援を実施
南スーダンで職員が行方不明、治安悪化でさらなる飢餓の懸念

国連WFPの活動はすべて善意の寄付金でまかなわれています。ぜひ皆様のあたたかいご理解とご支援をお願いします。

＜寄付方法＞

▼Webサイトから

▼お電話で 0120-496-819（通話料無料・年中無休）

▼ゆうちょ銀行から
口座番号：00290-8-37418　加入者名：国連WFP協会

▼手数料無料振込口座から
三菱東京UFJ銀行　店名：本店（店番001）
口座種類・口座番号：普通預金 0887110
口座名：トクヒ）コクレンWFPキヨウカイ
※領収書発行につきましては、お手数ですが国連WFPまでご連絡ください。

※国連WFPへのご寄付は寄付金控除の対象となります。詳しくはこちらをご確認ください。

【お問い合わせ】国連WFP
電話： 0120-496-819　9:00～18:00（通話料無料・年中無休）
携帯電話・PHSからもつながります。