パレスチナ自治区ガザにて緊急食糧支援
エルサレム発
パレスチナ自治区ガザで、戦闘の激化に伴い食糧不足が深刻化している事態を受け、WFP国連世界食糧計画はパンなどの緊急食糧支援を開始し、活動を拡大させている。
ガザ封鎖に伴い、現地では食糧や燃料が大幅に不足し、停電も頻繁に起きるなど、住民の生活環境が悪化していた。そのためWFPは今回の戦闘開始以前より26万5千人を対象に食糧支援を行っていたが、空爆の開始によりさらに事態は深刻化。食糧支援を必要とする人がさらに5万人増えたと見られている。
パン屋では小麦の備蓄が底を尽き、47軒あるパン屋のうち1月5日の時点で営業していたのは12軒だけだった。こうした状況の中、現在WFPはパン屋に小麦粉の配給を行い、人々へパンを提供している。WFPと契約したパン屋では現在、パン3kgを1日に5000セット焼いており、12月29日以来1万5千人にパンを配給することができた。それ以外にも5万人にも食糧支援を行ったほか、13の病院に肉の缶詰と高エネルギービスケット(患者と職員6千人の1か月分の食料に相当)を配給した。
しかし、戦闘の激化に伴い、WFPが契約していたトラック会社が食糧輸送業務を拒否するなどしており、支援物資の搬入や輸送、配給は困難を極めている。
空爆開始以来、WFPは1600トンの食糧をガザに搬入し、ガザ内の食糧備蓄は計3700トンとなった。これは、戦闘開始以前より食糧支援の対象となっていた26万5千人の2か月分の食糧に相当する。しかし、3700トンの食糧備蓄のうち半分は、戦闘激化のため近づけない倉庫にあり、動かせない状態が続いている。
WFPは食糧を安全に搬入、輸送するとともに、食糧支援を必要としている地区や必要な食糧の量の調査を行うため、攻撃停止を求めた。また、今回の戦闘で生じた食糧需要に応えるため、国際社会に対して900万ドルを追加要請した。
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