パキスタン:国内避難民へ食糧支援を強化
イスラマバード発
パキスタン軍によるタリバン掃討作戦によって避難民となった200万人以上の人々に、WFPは人々の生活の安定を少しでも早く取り戻すために食糧支援を行っている。
6月4日、WFPは5歳以下の子どもの栄養状況が特に悪くなっていることを受け、これらの子どもを対象に配布される栄養強化ペースト97トン分の搬入を開始した。栄養強化ペーストとは、ピーナッツ、スキムミルク、砂糖等に様々な栄養素を加えた栄養強化食品。
11歳のシャーザット・アリ君は、ブナー地区の村からスワビ地区の避難民受入れ村へ避難してきた国内避難民の一人。シャーザット君はまだ6年生だが、すでに将来は医師になると決めていた。避難生活を続ける彼は学校が恋しいという。「ブナーにいた時は楽しかったのに、今はとてもみじめな生活」、とシャーザット君は自分の将来を心配すると同時に、避難しなければ状況はさらに悪化していたと話している。WFPは、シャーザット君のような子どもが自分の村へ帰還し元の生活を取り戻す時のために、食糧支援を続けている。
「このような極めて不安定な状況が続く中、人々の命を救う食糧支援にベストを尽くす必要があります。」とWFPのシーラン事務局長は語っている。
ペシャワール周辺の避難民キャンプが満員になったことを受け、WFPはパキスタン政府や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との協力の下、避難民の受入れ体制を強化している。具体的には、避難民を受け入れている村の近くに人道支援センターを設置し、避難民がそこへ行けば様々な支援が受けられるようなシステムを構築している。このような人道支援センターは、すでに35ヶ所に設置された。
「人道支援センターは、キャンプに収容されていない避難民を支援するのに大変効果的です」とWFP駐パキスタン代表ウォルフガング・ハービンガーは言う。「このような受け入れ体制があることにより、WFPが食糧支援を行えるだけでなく、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連児童基金(UNICEF)などの人道支援機関が支援物資を避難民へ届けることができます。」
増え続ける国内避難民を支援するため、WFPは人道支援センターや避難民キャンプへ大量の小麦粉、米、砂糖や豆類を配給している。
また、パキスタンの市民、企業や行政から多くの支援物資が寄せられており、これらを貯蔵するための貯蔵庫がペシャワールに設置された。
WFPは5月だけで、4万トンの食糧(3千万ドル相当)を配布。これは、260万人の1ヶ月分の食糧に相当する。パキスタン政府はWFPに対し、避難民が帰還した場合、これらの避難民への最低6ヶ月間の食糧支援を要請した。WFPの食糧支援への需要が拡大する中で、国際社会からの更なる支援が求められている。
2009年6月4日現在の支援状況
●265万人の国難避難民へ1か月分の食糧を配給済
●現在の食糧在庫では一日、15万人への食糧配給が可能
●人道支援センターが35ヵ所で設置。さらに多く設置できるよう、調整中
●国連は250万人以上が国内避難民と認定されたと推定
●国連諸機関はパキスタン国内避難民支援のため、1億6200万ドル規模の合同緊急支援を要請
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