国連WFP、シリア避難民への食糧支援 史上最多数を記録
国連WFPとそのパートナー団体は、各勢力の支配地域の境界線を越え、この6週間で58万人以上に食糧を届けることができました。それ以前の6週間で境界線を越えて支援を実施できた人数は13万7千人だったので、4倍以上に増えたことになります。
また、国連安保理決議2165により、国境を越えての食糧搬入が可能になりました。本決議は、シリアで国連が人道支援を行えるよう、4つの国境検問所から同国に入国することを承認したものです。
決議採択以降、支援食糧を積んだ車列が計5回、トルコからバブアルサラムへ、ヨルダンからアルラムサを経由して、アレッポ県、イドリブ県、クネイトラ県、ダラー県の、それまで支援物資の輸送が難しかった地域へと食糧を搬入することができました。同地域に暮らす6万9,500人が、米、食用油、パスタ、挽き割り小麦、缶詰、小麦粉、豆、塩、砂糖を手にしました。
国連WFPシリア危機担当・地域緊急調整官のムハンナド・ハディは、「多くの人々は、数ヶ月もの間、空腹状態でいます。そのような状況下、私たちが緊急食糧支援を届けることができる人数は、日に日に増えています。」と話しました。「この度、地域境界線や国境を越えた食糧運搬が可能になったので、今後数週間から数ヶ月間は、これを基にさらなる食糧支援活動を進めていく予定です。私たちがまだ食糧を届けられていない女性、子ども、家族たちになんとか食糧を届けられるよう、戦闘にかかわるすべての当事者が、私たちの輸送活動を尊重してくれることを願います。」
戦闘が広がり、不安定な治安状況が続いているため、国連WFPは、多くの地域、特に北部のアルハサケ、デリゾール、アルラッカへ食糧を届けることが困難な状況にあります。ですが、国連WFPはシリア国内で活動する世界最大の人道支援機関であり、シリア赤新月社や20以上の連携団体と協力して、同国内の全14行政区域で毎月、食糧支援を必要とする425万人に対して支援を行う予定です。
国連WFPは、シリアの紛争で被災した避難民や、近隣諸国で難民として暮らす人々に食糧を提供するため、1週間で3,500万米ドルを必要としています。