国連WFP、イラクで支援する避難民が100万人突破
ジェーン・ピアース国連WFPイラク事務所長は、「連携機関のおかげで、支援活動地域をさらに拡大することができました。これにより、これまで支援を届けることができなかった地域で、命からがら逃れてきた避難民へ食糧支援を行うことができるようになりました。」と話しました。「今月に入り、初めてイラク南部のムサンナ県とジーカール県で避難生活を送る人々に食糧を届けることができ、国連WFPが支援する避難民数が100万人を超えました。」
イラクでは、不安定な治安状況が続き、避難民は少しでも安全な地を求め転々と移動しています。そのため、食糧を届けるのは困難を極めます。しかし、国連WFPは、これまでにクルディスタン地域(エルビル県、ドホーク県、スレイマニヤ県)を加えた18県のうち13県(ニナワ県、キルクーク県、アンバール県、ディヤーラ県、バービル県、ワーシト県、カルバラー県、ナジャフ県、ムサンナ県、ジーカール県を含む)で食糧支援を行いました。
6月中旬以降、約180万人のイラク人が避難民となりました。戦闘により避難民を取り巻く環境は悪化するばかりです。多くの避難民が水や食糧、そして、避難場所もないまま暮らしています。中には、橋の下や道路脇を生活の場とする人や避難民キャンプ、または、建設中の建物に住む人もいます。
国連WFPは、今年中に120万人の避難民に支援を届けるべく、食糧支援活動を拡大する予定です。国連WFPがすでに支援を行った100万人の大半には、米、食用油、小麦粉、レンズ豆、パスタ、塩の入った食糧パッケージを届けました。1つの食糧パッケージで、5人家族が1ヵ月分食べていくことができます。また、国連WFPは、転々と移動していて調理ができない避難民に対して、缶詰など、封を開ければすぐに食べられる非常食を配布しました。
6月に今回の武力衝突が始まる前までは、国連WFPは、アンバール県で起きた戦闘から逃れた24万人およびシリアからイラクへ避難してきた18万人に対して食糧を届けていました。
国連WFPは、サウジアラビアからの多額の拠出金などを用いて、イラクでの食糧支援活動を拡大しています。