国連WFP:食料システムの崩壊により、ガザは広範な飢餓に直面
「ガザでは食料と水の供給が事実上不可能であり、必要な物資のほんの一部しか国境を通って到着していません。冬が間近に迫り、危険で過密な避難所、清潔な水の不足により、人びとは飢餓の可能性に直面しています」と国連WFPのシンディ・マケイン事務局長は話しました。「現在の食料支援のニーズを満たすには、1箇所の国境検問所だけでは不可能です。命を救う食料をガザに運び入れるため、人道的アクセスを可能とする、安全な通路を新たに開く必要があります。」
国連WFPは11月13日、燃料不足のため、国連WFPと提携している最後のパン屋の閉鎖を確認しました。燃料不足が引き金となり、ガザにある130のパン屋すべてにおいてパンの生産が停止しています。ガザの人びとの主食であるパンは、不足しているか、または手に入らない状況です。
燃料不足は、食料支援を含む人道支援物資の配給や活動にも支障をきたしています。11月14日にエジプトからトラックが到着し、ガザで物資を積み下ろしましたが、配給車の燃料が不足していたため、避難所にいる人びとに届けることが不可能でした。
10月21日にラファ検問所が開通して以来、1129台のトラックがガザに入りましたが、そのうち食料物資を積んでいたのはわずか447台です。国連WFPは、ガザに入るトラックの数が増えたことを歓迎しつつも、その量が極めて不十分であることを忠告します。ガザに入った食料は、1日に最低限必要なカロリーの7%を満たす量に過ぎません。
ガザの食料システムはもはや機能していません。国連WFPが契約している商店のうち25%しか営業しておらず、その他の商店では必要な食料品が底をついています。市場は完全に閉鎖されています。少量の食料が驚くほど高値で売られ、調理する能力もなければほとんど役に立たず、1日1食で生き延びなければならない人びともいます。運が良い場合は、缶詰以外の食料を入手できますが、一方では、生のタマネギやナスを食事にする家族もいます。
「食料サプライチェーンの崩壊は、必需品を奪われた人びとにとって、すでに悲惨な状況における、壊滅的な転換点です。燃料が手に入らなければ、必要としている人びとにパンを提供したり、食料を運んだりする能力は著しく損なわれ、生活は実質的に行き詰まることになります。ガザの人びとは飢えています」と国連WFPパレスチナ事務所のサーメル・アブドルジャーベル代表は述べました。
10月以来、国連WFPはガザの避難民70万人以上に緊急食料支援を届けており、今後数週間で、100万人以上への支援の拡大を予定しています。しかし、これを実現するには、ガザへの人道回廊の増加、職員が出入りできる安全なアクセスの確保、およびドナーからの追加支援が必要です。
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