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紛争続くシリア北東部にイラクから食糧空輸

紛争続くシリア北東部にイラクから食糧空輸
紛争が続くシリアで、包囲され支援を届けることが難しくなっている地域があることを受け、国連WFPは4日、シリア北東部の街カミシリの避難民に向け、30万人弱の1ヶ月分に相当する食糧の空輸をイラクで開始しました。空輸以外に支援物資を届ける方法がないためで、イラクからの空輸は2回目です。

最初の飛行機は、米、パスタ、挽き割り小麦、缶詰、豆、塩、植物油、砂糖など食糧40トンを積んでカミシリに到着しました。計10機が、国連WFPの支援用食糧に加え、ユニセフや国際移住機関の支援物資(服、洗剤、石鹸など)を積んで到着する予定です。

シリア北東部への陸路は危険で、5月以降、支援物資がほとんど届けられない状態となっていました。ここ数週間はさらに危険度が増し、多くの住民が避難を余儀なくされています。

国連WFPは昨年12月、半年近く支援を受け取れなかった6万2千人の住民に向けてイラクから食糧を空輸しました。1月には425万人への食糧支援を予定していましたが、危険のため陸路での物資輸送が不可能な地域があり、物資を届けられたのは360万人に留まっていました。

アーサリン・カズン国連WFP事務局長は、「シリアの最もか弱き人々が飢え、終わる兆しの見えない政治紛争の代償を払わされていること、これは悲劇です。すべての勢力に対し、シリア国内のどの場所にも、いつでも私たちがアクセスできるよう求めます。食糧支援を必要としている人たちにいつでも物資を届けられるようにしなければなりません」と話しました。

シリアでは主要な高速道路が閉鎖されており、治安悪化のため陸路での輸送は危険を伴います。また40以上の街が包囲され市民が閉じ込められています。このような状況から、シリアでの支援活動は世界の中でも最も複雑なものとなっています。国連WFPは2014年、700万人以上のシリア人(シリア国内の避難民425万人、周辺国に逃れた難民290万人)に食糧支援を行うため20億米ドル超の資金提供を呼びかけています。