FAO, IFAD, WFP合同プレスリリース 食料の安全保障をアフリカ開発課題の主軸に ~食料関連の国連3機関トップが2025年までの飢餓撲滅を呼びかけ~
横浜発-ローマに本部を置く国連3機関のトップは1日、食料と栄養の安全保障をアフリカ開発課題の主軸としていくことを国際社会に呼びかけました。世界の食料安全保障の状況を改善するため特に小規模自作農家の支援を強化し、さらにジェンダー不平等の是正のため農村女性のエンパワーメントに力を入れ、自分たちや家族、コミュニティの暮らしを変えられるようにすることが重要だと訴えました。
これは、ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ国際連合食糧農業機関(FAO)事務局長、カナヨ・ヌワンゼ国際農業開発基金(IFAD)総裁、アーサリン・カズン WFP国連世界食糧計画事務局長が横浜で開催中の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の場で述べたものです。
3機関のトップは 開発途上国の飢餓と貧困をなくす鍵は政府・民間セクターが握っているとし、持続可能な農業・村落開発分野に責任ある投資をすることが最も効果的だと強調。サブサハラ・アフリカ地域では、農業によるGDPの伸びは他の分野でのGDPの伸びに比べ11倍、貧困削減に効果があると示されていることを挙げました。
また、今こそ、小規模生産者・組織、家族経営の農家、漁業者、家畜飼育者、森林を生活の基盤とする人々、農村労働者、起業家、先住民など、変化を起こすのに不可欠な人々に投資すべき時だと強調しました。
そして、自国およびアフリカ大陸の飢餓と闘ってきた国々を称賛し、TICADでの議論は6月30日から7月1日にアジスアベバにて、アフリカ連合・FAO共催、及びルラ・インスティチュート協賛により開催されるハイレベル会合においても大いに活かされるだろうと指摘しました。この会議には、WFP、 IFAD他開発機関も参加します。
3機関のトップは、飢餓、栄養不良、極度の貧困を、ミレニアム開発の目標達成期限である2015年後のポスト2015年開発目標(ポストMDGs)の中核とするよう求めることで一致し、我々の世代のうちに世界は貧困と飢餓という2つの苦しみを克服できると確信していることを表明しました。
しかし、貧困、飢餓の克服は、ジェンダー不平等の原因となっている問題を解決し、女性のエンパワーメントを阻む障壁を取り除かない限り、成し遂げられないだろうと警告しました。アフリカでは、農地の85%は男性が所有していますが、食料の生産、加工、取引の主要な担い手は女性だからです。
3機関は、明日2日、TICAD Vで開かれる5つのテーマ別会合のうち「成長のための部門別基盤の整備」「ポスト2015年開発目標に向けて」「ジェンダー平等:女性のエンパワメントの推進」の3つの会合で、共同声明を発表します。