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アフリカ支援で指導力を増す日本から多額の食糧支援

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横浜発 − 日本政府は、紛争や自然災害による食糧不足に苦しむ人々に対する食糧支援として、WFP 国連世界食糧計画を通じて総額32億円を拠出することを決定した。対象国はアフリカを中心とした7カ国。

拠出金の8割はアフリカの5カ国に充てられ、穀物、豆類、栄養強化混合食品、魚缶の購入に充てられ、難民や国内避難民、栄養不足の子どもや妊娠中の女性、その他慢性的な食糧難に苦しむ人々に対する食糧支援に活用される。

今回の食糧支援の対象となるアフリカの5カ国と拠出額は以下の通り。
スーダン(9億7千万円)、チャド(3億円)、リベリア(4億8千万円)、シエラレオネ(3億5千万円)、ジンバブエ(4億8千万円)

玉村美保子WFP日本事務所代表は、「WFPは日本政府の継続的な支援に心から感謝いたします。今回の拠出金は、アフリカで『人間の安全保障』を達成しようとする日本の強い決意のあらわれです。今回の支援は、弱い立場の人々が将来に対する希望を持ち、自分たちの国と生活を再建していくのを後押ししてくれることでしょう」と述べた。

今回の拠出により、2007年の日本からWFPに対する拠出金は計79億円(約6420万米ドル)となった。近年、アフリカの開発と平和構築に力を入れている日本では、来年、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)や主要国首脳会議(サミット)が開催される。これらの会議では、アフリカの諸問題についての話し合いが行われる予定だ。

スーダンのダルフール地方では、去年和平合意が結ばれたにも関わらず治安が悪化しており、2003年から今までの間に同地方の全人口の3分の1が難民化している。また、21年間続いた南北の内戦の終戦に伴い、南部には人々が避難先から帰還し、懸命に復興を進めている。このような人々を支えるため、現在WFPはスーダンで世界最大規模の支援を実施し、550万人に食糧を配給している。

チャドは世界で5番目に貧しい国で、独立後の40年間に相次いで起こった紛争により、慢性的貧困と不安定な食糧事情がさらに悪化している。それに加えて近年はスーダンや中央アフリカ共和国から26万人を超える難民が流入しており、チャドの限られた資源やすでに疲弊しきっている人々にとって新たな重荷となっている。WFPはチャドの国内避難民に加え、これらの難民にも食糧支援をしている。

リベリアは、14年間続いた内戦が2003年に終わり、紛争から平和への重要な転換期を迎えている。同国は高い失業率、避難民の再定住、脆弱な社会基盤、HIV/エイズ感染者の増加など難しい課題をいくつも抱えており、WFPは2007年に70万人以上を支援する予定だ。

シエラレオネもまた10年続いた内戦により経済が大きな打撃を受け、社会的混乱が続いている。難民化した人々の再定住や兵士の武装解除はすすんだものの、人口の7割はまだ貧困線以下の暮らしを余儀なくされており、食糧難は深刻だ。WFPはさまざまな復興支援プログラムを通じ、同国の68万人を支援する予定。

ジンバブエでは穀物の凶作と経済の破綻という二重の打撃を受け、来年はじめまでに400万人以上が食糧難に陥る見込みとなっている。ジンバブエの推定人口1180万人のうち3人に1人は来年、新たな収穫時期が来るまでの最初の3ヶ月の間、食糧難に陥るとの予測が出ている。

アフリカ以外では、今回の拠出金から3億9千万円がアフガニスタンに供与され、660万人の食糧支援に活用される。また、パレスチナ自治区には2億3千万円が拠出される。