アフリカ北東部で深刻度最高レベルの危機
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ローマ発
WFPは7月20日、アフリカ北東部の「アフリカの角」と呼ばれる地域で1,130万人が干ばつにより食糧支援を必要としており、その深刻度は最高レベルでただちに大規模な支援を行わなければならないと宣言。多くの人命が失われる可能性が高いと懸念を表明した。
ジョゼット・シーランWFP事務局長は、「WFPは今回の大干ばつに際し、過去6か月にわたってこの地域での支援活動を拡大してきました。しかし、今回の干ばつは、深刻度が高く、かつ広範囲に及んでおり、また人道支援機関が立ち入れない地域が一部存在することもあいまって、このような深刻な食糧危機が発生してしまいました。」と述べ、支援活動の拡大の必要性を訴えた。
また国連のソマリア担当人道支援調整官は、人道支援機関の立ち入り(アクセス)が制限されてきたソマリアの南部において、飢饉が発生していると宣言した。
シーランWFP事務局長は、「ソマリア南部の大半の地域へのアクセス権を握っている勢力が、先日、干ばつの被災者支援のため、人道支援機関に対しては、この地域への立ち入り制限を緩和する、と発表しました。これは喜ばしいことです。WFPは、現場で支援活動にあたる職員の安全を確保し、食糧と栄養を必要としている人々、特に子供たちのもとへ支援を届けるため、協議を行うつもりです。」と述べた。
WFPの支援策としては、栄養強化ビスケットや、栄養価の高い補助食品を空輸し、栄養不良の子どもや、妊婦、授乳中の女性たちに配布することが検討されている。これらはソマリア南部のもっとも被害の大きい地域に送られ、国際機関や非政府組織によって配給されることになる。栄養補助食品は胎児や2歳までの子どもの栄養失調の改善に大きく貢献する。今回の支援策は、補助食品を使用したプロジェクトとしてはこれまでで最大の規模となる見込み。
シーラン事務局長は、「ソマリアは世界でも特に危険度の高い地域で、2008年以降、WFPのスタッフ14人が殉職しています。我々は厳格な評価・監視制度によってリスクを最大限にまで軽減するつもりではありますが、すべての勢力に対し、ソマリア南部の危機の深刻さを認識し、協力するよう求めたい」と訴えた。
シーラン事務局長は現在、エチオピアにおいて、同国政府やアフリカ連合を交えた高官協議に参加しており、数日中には干ばつの被害を受けているソマリアとケニアを視察し、干ばつの被災者の話を聞く予定。
「私がこの4月にソマリアと、ソマリア難民が多いケニアのダダーブ難民キャンプを訪れた時には、干ばつがもたらす負の連鎖がすでに始まっている様子が見てとれました。WFPは緊急事態を予測し、より多くの人々の命を救うべくこれまで支援を増強してきました。この危機的状況を脱するためには、国連諸機関、各国政府、非政府組織や地域組織が連帯して行動を起こす必要があります。そのためには、世界からの寛大な支援や寄付金が欠かせません。」とシーラン事務局長は国際社会に対し支援を訴えた。
WFPやその他の人道支援機関は、2010年初旬からソマリア南部での支援活動ができない状況に置かれていた。これによって国連は、特に小さな子供や、食糧を必要としている人々のもとに食糧や栄養支援を届けることができない状態だった。
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