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10月16日は世界食糧デー ~栄養改善が未来への鍵~

10月16日は世界食糧デー ~栄養改善が未来への鍵~
ローマ・横浜発 10月16日は、世界の食糧問題を考えるため国連が制定した「世界食糧デー」です。この日を記念し、国連WFPは「栄養」の重要性を皆さんにお伝えしたいと思います。人々の栄養状態を改善すれば、一人一人の人生、そして国の社会や経済が大きく発展します。途上国の開発のためには「栄養」を主軸に据えることが必要です。

アーサリン・カズン国連WFP事務局長は、次のように述べています。「栄養不良の少年少女は健康上の問題を抱え、学業不振に陥り、大人になってからは職場でも様々な壁に直面します。栄養不良のせいで人間としての可能性が活かされず、住んでいる社会で活躍する能力を削がれてしまっているのです。栄養改善に優先的に取り組むことは、地球の未来のための投資です。そのためには、食糧・農業・保健・教育システムに取り組むことが必要です。」

今日、地球では8人にひとり、数にして8億4200万人が慢性的な飢餓に苦しんでいます。さらに、健康的な生活を送るために必要なビタミンやミネラルを十分摂取できていない人は20億人にも上ります。

もし世界が、ビタミン・ミネラル欠乏症を減らすために年間12億米ドルを5年間に渡って投資すれば、人々の健康状態は改善し、子どもの死亡数は減り、将来的な所得は増加します。そのことにより、154億米ドル相当にも及ぶ利益がもたらされます。

今年の世界食糧デーのテーマは「食糧・栄養安全保障に向けての持続的食糧システム」です。

国連WFPは下記のような方法などを用い、世界中で9700万人に食糧支援を届けています。

・乳幼児や妊娠中・授乳中の母親への栄養強化食品の配布に力を入れ、配布人数を急速に増やしています。

・赤ちゃんが母親の胎内に宿ってからこの世に生まれ、2歳の誕生日を迎えるまでの生命の最初の1000日間に、バランスのとれた栄養を十分摂ることが非常に重要です。そのため、この1000日間の栄養改善を強化しています。

・街中では食べ物が売られているが人々は現金がなくて買えない、という場合は、食糧の現物支給に代わり、現金や食糧引換券を配布しています。こうすることで、人々は新鮮でバラエティーに富んだ食品を手に入れることができます。

・学校給食を提供する際には、地域の社会や農家と協力し、新鮮な食材を多品目使うように努力しています。

・企業や研究機関と協力し、給食で栄養強化米を提供した際、どのような栄養効果があるか調査しています。

・国連WFPはアフリカ連合に協力し、現在、飢餓による経済的損失に関する調査をアフリカで行っています。このようなデータの収集と蓄積により、途上国の栄養政策・戦略の策定を手助けしています。

国連WFPは、姉妹機関である国連の食料関連機関、すなわち国際連合食糧農業機関(FAO)および国際農業開発基金(IFAD)と共に、世界食糧デーを祝います。