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飢きんの定義

  • 20% の世帯が 極端な食料不足に直面
  • 30% の子どもが 急性栄養不良
  • 1万人中 2人 飢餓または栄養不良と疾病の複合的原因で死亡

飢きんは過去のものだと思うかもしれません。そうであるべきです。しかし、こうしてあなたがこれを読んでいる今も、世界中で4,000万人以上の人びとが飢きんの瀬戸際にいます。悲惨なことに、飢きんが宣言されたときには、すでに手遅れです。何千人もの人びとがすでに飢えで命を落としていることを意味します。

国連WFPは、飢きんを未然に防ぎ、人びとを飢餓の淵から遠ざけるための専門性、現場でのプレゼンス、活動規模を備えています。私たちは飢きんを回避するために24時間体制で活動していますが、そのための資金を緊急に必要としています。何もしないことの代償は、必然的に失われた命で測られることになります。

食料生産が増え続ける世界で、人類がこのような運命をたどらなければならない理由はどこにもありません。

飢きんの原因とは?

飢きんの原因となる問題はたくさんあります。

飢きんの最大の要因は紛争です。飢餓のレベルは、紛争によって多くの人びとが家や土地を追われ、仕事を失うことでさらに悪化します。飢きんはアクセスが制限された地域で発生する傾向があり、これは紛争地帯に共通する要因です。

また、干ばつなどの気候変動の影響も食料不足が増えている理由です。干ばつは、農民が土地を追われ、食料の生産量や生産の担い手が減ることを意味するからです。

新型コロナウイルスの影響も飢餓人口の急激な増加をもたらしています。新型コロナウイルスの蔓延を抑えるための対策は世界中の経済に打撃を与え、何百万人もの人びとを失業と貧困に追いやり、政府や支援機関が最も弱い立場にある人びとの食料と栄養のニーズに対応するための資金も減少しています。

不平等もまた大きな要因であり、所得が低いために、基本的な食料品を購入できない人も数百万人います。

飢きんのリスクが高い国は?

影響を受ける人の多くはアフリカの国々に住んでいます。しかし、中東からラテンアメリカ、カリブ海地域まで、世界のほとんどの地域で急性の飢餓が急増することが予想されます。

飢きんは、人道的アクセスが制限された地域で発生する傾向があります。特にイエメンと南スーダンでは、紛争、治安の悪化、それに伴う移住が、急性飢餓のレベルを憂慮すべきレベルまで引き上げています。

上記2か国の他にも、アフガニスタン、エチオピア、ソマリアでも壊滅的な食料不安に直面している人びとがいます。

世界では54か国の4700万人が人道的危機レベルまたはそれ以上の飢餓に直面しています。緊急に処置を講じなければ、「人道的大惨事」あるいは「飢きん」に陥る危険性があります。

南スーダンの様子 ジョングレイ州アコボ東部の子どもたちが地元の果物を添えたソルガムの昼食を取っています。― 同国で最後に飢きんが宣言されたのは2017年でした。Photo: WFP/Marwa Awad

南スーダンの様子 ジョングレイ州アコボ東部の子どもたちが地元の果物を添えたソルガムの昼食を取っています。― 同国で最後に飢きんが宣言されたのは2017年でした。Photo: WFP/Marwa Awad

飢きんを防ぐには?

国連WFPは、様々なアプローチを通じて、飢きんの発生を防ぐための専門性と支援を届けるすべを有しています。

飢きんへ立ち向かう取り組み

緊急食料支援
飢きんに直面したとき、国連WFPが命を救うために展開できる最も強力な手段は、食料および現金による緊急食料支援です。
テクノロジー
国連WFPは最先端のテクノロジーによって、状況が急速に悪化している場合に警告を発し、適切な対応に必要な情報を提供し、緊急に支援を必要としている人びとに確実に届くようにしています。国連WFPはハイテク企業や起業家、NGOなどと提携し、人工知能や機械学習を含む革新的なアプローチを現場活動に導入しています。
物流とサプライチェーン
国連WFPのロジスティクスとサプライチェーンの能力は、大量の食料を最も必要とされる場所に運ぶことができます。究極の場合は、空中投下や緊急空輸を使用します。1日にトラック6,500台、船20隻、飛行機140機が動き回り、毎年150億個以上の食料を配給しています。
長期的な視点
飢餓の脅威を取り除き、飢餓を完全に防ぐには、教育、栄養、強靭な生計、学校給食プログラムなどの社会保護制度の強化など、より長期的かつ複雑な介入が必要です。

飢きんは決して回避できないものではありません。適切な計画と調整によって飢きんを防ぎ、何百万人もの命を救うことができるのです。国連WFPは様々な方法で飢きんを防ぎ、対応をしています。

国連WFPの対応

迅速な対応メカニズム
国連WFPはこのツールを南スーダンやナイジェリア北東部などで展開し、移動対応チームが遠隔地や孤立した地域の人びとに対応できるようにしました。通常はヘリコプターで移動し、国連WFPが道路や河川、空輸で食料や栄養物資などの支援を行えるように、人びとを登録します。
ハンガーマップ・ライブ
人工知能、機械学習、データ解析を導入し、90カ国以上の飢餓の規模や深刻度をほぼリアルタイムで予測・追跡するマップです。
緊急サービス・マーケットプレイス
この仕組みにより、危機の際に国連WFPのサプライチェーン、エンジニアリング、IT、管理などの専門知識を、より広い人道的コミュニティで利用することができます。

今こそ行動する時です

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