予測型現金支援
- 19カ国
- アフリカ、アジア、ラテンアメリカ・カリブ地域において、国連WFPが各国政府による予測型現金支援の構築を支援
- 394,000
- 2020年予測型現金支援の対象人数
- 350万米ドル
- 予測型現金支援の予算
異常気象は、食料不安の主な要因です。頻度や強度を増した洪水、干ばつ、暴風雨などが、世界の自然災害の90%を占めています。同時に、気候危機は、紛争や経済の悪化など、他の飢餓の要因と交錯し、複合的に作用しています。 これらの問題にうまく対処し、連鎖的な人道的災害を回避するためには、従来の人道的対応システムを、繰り返される危機対応から将来を見据えたリスク管理へと進化させる必要があります。
気候関連のリスクを管理し、災害への発展を防ぐための最も有望かつ革新的なプログラムの一つが、「予測型現金支援」(Forecast-based Financing (FbF))です。 これは、季節や天候の予測をもとに、異常気象が脆弱な人びとを襲う前に、先回りして人道的な行動を起こし、事前に現金支援するというものです。
気候変動による災害が発生する数日前、数週間前、場合によっては数ヶ月前から、政府、コミュニティ、家族が行動を起こすことができ、食料安全保障、人命や生計への影響を軽減することができます。
WFP国連世界食糧計画(国連WFP)の予測型現金支援プログラムは2015年に設立されました。それ以来、予測型現金支援は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ・カリブ海地域の19カ国に拡大し、政府や人道支援機関、NGO、学界などの多様なパートナーと協力して、時間をかけて発展する災害から急速に発生する災害まで、先回りして行動するための強固なオペレーションシステムを構築しています。
For more information, contact: climatechange@wfp.org
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Success stories
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バングラデシュ
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バングラデシュでは、2020年に同国北東部の脆弱なコミュニティに壊滅的な打撃を与えた深刻なモンスーン洪水を前に、国連WFPが政府やパートナーと緊密に連携して先回りした人道支援を実施しました。予測型現金支援プログラムの支援により、支援を受けた人びとは、より安全な地域に移動し、食料や医薬品などの必須物資を購入し、シェルターの強化に投資し、大切な資産を守ることができました。
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フィリピン
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フィリピンでは、国連WFPが州政府や自治体と協力して、脆弱な家庭が台風に対してより良い準備をし、より早く回復できるように支援しました。2019年には台風「ティソイ」が上陸する数日前に、多目的現金給付を行いました。
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ネパール
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ネパールでは、国連WFPと政府が、テライ地域の最も災害の多い14の地区で、洪水に対する早期警報と予測に基づく事前行動のギャップを埋めることを目的とした予測型現金支援プログラムを実施しました。