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2026年エボラ出血熱の流行:症状や感染経路、アフリカで深刻化する飢餓への影響

コンゴ民主共和国(DRC)で発生している2026年のエボラ出血熱について、ウイルスの感染経路や、飢餓と食料不足を深刻化させている理由など、重要な事実を紹介します。
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A white WFP helicopter on a dirt tarmac in the background, with boxes of aid in the foreground. Photo: WFP/Michael Castofas
WFPは、コンゴ民主共和国東部で拡大するエボラ出血熱への幅広い人道対応を、様々形で支援。 Photo: WFP/Michael Castofas

エボラ出血熱とは?ウイルスはどのように感染するのか?

エボラ出血熱は、重症化しやすく、死に至ることも多いウイルス性疾患で、平均致死率は約50%です。感染してから症状が現れるまでの期間は2~21日で、初期には突然の発熱、強い倦怠感、喉の痛み、筋肉痛などがみられ、その後、嘔吐や下痢、ときには大量出血を伴うこともあります。

エボラウイルスが初めて確認されたのは1976年、現在のコンゴ民主共和国(DRC)にあたる旧ザイールです。ウイルスはコウモリに由来すると考えられており、感染した野生動物やその肉などとの接触を通じて人に感染します。その後、感染者や亡くなった人の体液に直接触れることで、人から人へと感染します。

エボラウイルスにはどのような種類があるのか?

エボラウイルスには5つの種が確認されています。この5種のうち、ウイルスが初めて確認された国の当時の名称にちなんで名付けられたザイール種は、最も多くみられ、致死率も最も高い種です。今回の流行は、ブンディブギョ種によるものです。ブンディブギョ種によるエボラ出血熱は発生例が少なく、封じ込めが難しいため、保健医療の専門家は特に警戒しています。ザイール種とは異なり、現在のところ承認されたワクチンや治療法がないため、感染予防、地域社会との連携、感染者の迅速な隔離がとりわけ重要です。流行の深刻さを受け、世界保健機関(WHO)は5月中旬、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。これは感染症の流行に対するWHOの最高レベルの警戒です。今回の流行は、これまでで最も急速に拡大しているエボラ出血熱の流行で、宣言以降の死者は2,000人を超えています。2007年と2012年にウガンダとコンゴ民主共和国で発生したブンディブギョ種によるエボラ出血熱では、致死率は30~50%でした。

エボラ出血熱は食料の確保にどのような影響を及ぼすのか?

エボラ出血熱と飢餓は相乗効果でお互いを悪化させ、深刻な影響をもたらします。すでに食料不足や栄養不良に陥っている人びとは病気にかかりやすく、エボラ出血熱などに感染した場合も回復が難しくなります。また、感染症の流行は急速に飢餓を深刻化させる可能性があります。農家が農作業をできなくなったり、市場が閉鎖されたりするほか、移動制限によって食料のサプライチェーンが滞ります。多くの世帯では収入が減る一方で食料価格が上昇し、日々の生活に欠かせない食料を購入することが難しくなります。過去最悪の規模となった2014~2016年の西アフリカでのエボラ出血熱流行では、数十万人が深刻な飢餓に陥りました。

今回の流行は、すでに2,650万人が深刻な食料不安に直面しているコンゴ民主共和国に、さらに深刻な影響を及ぼすおそれがあります。特に大きな影響を受けている東部の州では、推定870万人が危機レベル、またはそれ以上の深刻な飢餓に直面しています。紛争や避難、生計基盤の脆弱化に以前から苦しんできたこれらの地域では、エボラ出血熱によって飢餓の脅威がさらに深刻化するおそれがあります。調査では、エボラ出血熱による混乱のため市場を利用することが難しくなり、深刻な経済的損失を被っている世帯があることが明らかになっています。

A closeup of a pot of porridge being stirred by a person with a blue uniform and gloves. Photo: WFP/Michael Castofas
エボラ出血熱と飢餓は、壊滅的な相乗効果でお互いを悪化させる恐れがあります。特に、すでに2,650万人が深刻な食料不安に直面しているコンゴ民主共和国では、その影響が懸念されています。 Photo: WFP/Michael Castofas

2026年のエボラ出血熱はどこで流行しているのか?

2026年のエボラ出血熱は、コンゴ民主共和国東部を中心に流行しています。イトゥリ州で始まった流行は、北キブ州、南キブ州、ツォポ州、上ウエレ州へと急速に広がり、主要都市でも感染が確認されています。人びとの移動や治安の悪化、現地へのアクセスの難しさが、引き続き感染封じ込めの妨げとなっています。ブンディブギョ種による流行が正式に確認されたのは5月中旬ですが、保健医療の専門家によると、それ以前から数週間にわたって気づかれないまま感染が広がっていた可能性があります。隣国ウガンダでは20人の感染と2人の死亡が報告されました。7月末、ウガンダ政府は国内でのエボラ出血熱の流行終息を宣言しました。

今回のエボラ出血熱への対応で特に大きな課題は何か?

今回の急速な感染拡大を封じ込めることが特に難しい背景には、様々な要因があります。過去のエボラ出血熱の流行は小規模で遠隔地を中心に発生していましたが、今回はコンゴ民主共和国東部の主要都市にも広がっています。インフラが十分に整っていないことも、対応を難しくしています。こうした混乱は保健医療だけでなく、人びとの生計や食料システムにも影響し、飢餓のリスクを高めています。

長引く紛争も対応を困難にしています。紛争によって人びとが避難を余儀なくされることでウイルスが広がる可能性があるほか、保健医療従事者や人道支援スタッフが現地に入ることも困難になります。さらに、脆弱な保健医療体制、恐怖や誤情報、偏見、安全ではない方法での埋葬をはじめとする慣習、地域社会での暴力なども課題となっています。国境での規制やサプライチェーンの停滞によって、必要不可欠な防護具や人道支援物資も不足しています。さらに、深刻な資金不足により、拡大する流行に対して十分な人道支援を行うことが難しくなっています。

WFPはエボラ出血熱への対応をどのように支援しているのか?

専門家は、エボラ出血熱を封じ込めるには、保健医療だけでなく、食料支援、現地へのアクセス、輸送、物流、倉庫などの機能も欠かせないと指摘しています。最前線で活動するチームが、影響を受けた地域に迅速に到達できる体制が必要だからです。WFPは、コンゴ民主共和国政府や世界保健機関などのパートナーと連携し、この一体的な対応を支えています。WFPが運営する国連人道支援航空サービス(UNHAS)を通じて、陸路や空路で人員や必要不可欠な物資を、アクセスが難しく紛争の影響を受けている地域へ輸送しています。また、感染した人道支援スタッフを対象とする航空医療搬送サービスも提供できます。さらに、人道支援機関の連携や接触者の追跡、必要不可欠な支援の提供を強化するため、パートナーに緊急通信支援を提供しています。

同時にWFPは、保健上の緊急事態が飢餓による人道的惨事へと発展するのを防ぐため、緊急に対応を進めています。コンゴ民主共和国東部では、エボラ出血熱が発生する以前から食料不安が深刻でしたが、感染拡大によって状況がさらに悪化するおそれがあります。WFPは、患者や介護者、保健医療従事者など、流行の影響を直接受けている人びとに温かい食事やその他の食料を提供しています。食料支援は人道支援であるだけでなく、公衆衛生上の対策でもあります。患者や接触者、隔離中の世帯が必要な食料を確保できるよう支援することで、外出する必要性を減らし、隔離措置を守りやすくするとともに、感染拡大の抑制にもつながります。

ここ数か月だけでも、WFPはコンゴ民主共和国東部の100万人以上に、命を守るための食料、現金、栄養支援を届けてきました。これにより、健康への直接的な影響にとどまらない、エボラ出血熱による幅広い二次的影響から人びとを守っています。食料の配給場所では、啓発活動を行うとともに、パートナーと連携して混雑を緩和し、手洗いを促すなど、ウイルスの感染リスクを抑えながら人びとが支援を受けられるよう取り組んでいます。

A man wearing a blue WFP vest is scanned for fever by a security guard wearing a blue uniform and mask. Photo: WFP/Gedeon Mugisa
地理的条件から治安の悪化まで、様々な要因が、コンゴ民主共和国東部での今回のエボラ出血熱への対応を特に複雑なものにしています。Photo: WFP/Gedeon Mugisa

過去のエボラ出血熱の流行から得られた教訓とは何か?

WFPには、過去のエボラ出血熱への豊富な対応経験があります。これには、過去最大規模となった2014~2016年の西アフリカでの流行や、2017年にコンゴ民主共和国で発生した流行への対応も含まれます。いずれの対応でもWFPは重要な役割を担い、必要不可欠な物流支援を提供するとともに、各世帯に食料・栄養支援を届けることで、人びとが安全に隔離生活を送り、感染の連鎖を断ち切れるよう支援しました。また、航空輸送、サプライチェーン、遠隔地へのアクセスなど、対応全体を支える物流基盤も提供しました。

こうした経験から得られた教訓は、保健医療、物流、食料支援を組み合わせた早期かつ一体的な対応が、保健上の緊急事態を封じ込め、より広範な人道危機への波及を防ぐために不可欠だということです。この教訓は今回の対応にも生かされており、より迅速に行動し、必要な規模へ効果的に支援を拡大するとともに、最も脆弱な人びとを優先して支援しています。

エボラ出血熱の流行はWFPの活動にどのような影響を及ぼしているのか?

ブンディブギョ種によるエボラ出血熱の流行は、WFPの活動にも様々な面で大きな影響を及ぼしています。例えば、保健衛生上の規則や、感染拡大を防ぐための移動制限などによって、WFPが現地に入ることが難しくなり、食料をはじめとする命を守るための支援の提供が遅れる場合があります。WFPは状況に応じて対応方法を変え、可能な場合には非接触型の配給や持ち帰り用の食料配給、現金支給などを活用しています。こうした対応の変更に加え、感染防止対策も必要となるため、活動にかかる費用が増え、業務もより複雑になっています。

今回のエボラ出血熱への対応では、より幅広い人道支援活動を支えるため、WFPが物流、サプライチェーン、通信サービスを共同で提供するなど、活動範囲と業務量が拡大しています。同時に、限られた資金の中で、深刻化する飢餓にも対応していかなければなりません。

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