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ハイチの現状

ハイチの人道危機が憂慮すべきスピードで深刻化する中、2023年8月以降だけでも、数万人の人びとが首都のポルトープランスから避難しています。ハイチ全土で20万人以上が避難生活を余儀なくされ、食料やその他の必要物資が不足し、緊急支援が必要とされています。

武装集団による暴力、大幅な経済悪化、雨季遅れ、および少ない降雨量が原因で、ハイチでは3人に1人以上が急性食料不安に陥っています。このうち140万人が緊急レベルの飢餓に直面しており、迅速な支援を必要としています。

前例のない人道的ニーズに応えるため、国連WFPは活動を強化し、2023年はすでに170万人近くを支援しました。

しかし、資金削減により、国連WFPは緊急食料支援を受ける人びとの数を削減せざるを得なくなっています。 現在、10万人への支援が削減され、10万人の子どもたちの支援削減も懸念されています。

国連WFPは、重要な人道支援のさらなる削減を避けるため、迅速に1億3600万米ドルを必要としています。

国連WFPのハイチ緊急支援

緊急食料支援
国連WFPは緊急支援を通じて、脆弱な立場にある家庭へ無条件で食料と現金の支援を提供しています。2023年、国連WFPは7500トンの食料支援、100万食の温かい食事の提供、および4700万米ドルの現金支援を行いました。
緊急時の備え
国連WFPは、緊急の食料支援のほか、物流や緊急通信などで政府を支援する準備を整えています。緊急時の食料備蓄は、危機に見舞われたにハイチの人びとの基本的な食料を届けるための重要な手段です。国連WFPは、あらかじめ全国に物資を配備しておくことで、突然発生する災害や危機に迅速に対応し、被災者のニーズを満たすとともに、必要に応じて数週間後に追加支援を計画・準備することができます。この備蓄は、米、豆、植物油などで、最大で30万人分の1カ月間の生活を支えることができます。
ロジスティクス
国連WFPは、ハイチ国内に、トラック25台、ヘリコプター2機、飛行機1機を保有しています。また、他の国連機関、NGO、政府機関と同様に、海上輸送も利用して活動を展開しています。陸路での移動が危険な地域もあるため、支援が届きにくい地域へのアクセスに、空路と海路での輸送は欠かせないものとなっています。ハイチでは2022年、燃料不足に繰り返し悩まされ、燃料配給への需要が非常に高まりました。国連WFPは、34のパートナー機関に12万2000ガロン以上の燃料を提供しました。また、ドミニカ共和国との間で人道的回廊を設け、緊急用の食料備蓄の一部を提供するなどして、陸路や海路で人道支援を迅速に提供できるように支援しています。
自立支援
緊急対応と並行して、国連WFPはコミュニティ資産の再建や生計プログラムを通じて、脆弱な立場にある人びとの自立支援に取り組んでいます。2022年には、97kmの農村道路と53kmの灌漑用水路が修復されたほか、28トンの種子の配布、4つの製粉所が設立されました。さらに、7万5千本の挿し木が行われ、2万5千人の小規模農家がマイクロインシュランスの適用を通じて支援されました。国連WFPは2022年、約11万3000人へ直接自立を促す(レジリエンス)支援を提供しました。2023年には25万人にまで支援を拡大することを目指しています。

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