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記録的飢餓が拡大: 世界の食料安全保障と栄養の現状

, WFP Staff

最新の世界の飢餓人口は、こちらの記事をご参照ください。

エチオピア: ティグライ州アセゲデ地区の国連WFPの食料配給所で列になって待つ女性と子どもたち。
エチオピア:ティグライ州アセゲデ地区で国連WFPの食料配給場所に並ぶ女性や子どもたち。Photo: WFP/Claire Nevill

国連の最新の統計によると、世界の飢餓は記録的水準にあり、今も増加し続けています。

2021年には、飢餓人口は最大8億2800万人に上り、前年比4600万人、新型コロナウィルス感染症のパンデミック開始以降1億5000万人増加したことが「世界の食料安全保障と栄養の現状2022(SOFI)」報告書で明らかになりました。

国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、国連世界食糧計画(国連WFP)が水曜日(7月6日)に公表したこの報告書は、世界的に厳しい食料安全保障の状況を示しています。

これは、「壊滅的な飢餓」という国連WFPが発していた警戒に続くものです。ウクライナ戦争の余波が国境を越えて世界中に及んでおり、苦労して得た開発の成果を後退させています。 

ブルンジ: 4月にルタナ県で行われたMAM(中等度急性栄養不良)プログラムの介入により、健康を取り戻した2歳児。
ブルンジ: 4月にルタナ県で行われたMAM(中等度急性栄養不良)プログラムにより、健康を取り戻した2歳児。Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

国連WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は、「45カ国で5000万人という驚異的な数の人びとが、飢きんの一歩手前にいます。この数字は今後数カ月でさらに上昇する恐れがあります」と述べています。

紛争、極端な気候、経済ショック、拡大する不平等が重なり、かつてないほど多くのひとびとが飢餓に追いやられています。

「ウクライナ危機により、食料、燃料、肥料の価格が世界的に高騰し、世界中の家庭を飢きんに追いやる恐れがあります。その結果、世界の不安定化、飢餓、そして前例のない規模の移住が発生するでしょう。私たちは、この迫り来る大惨事を回避するために、すぐに行動しなければなりません」と、ビーズリー事務局長は続けました。

報告書によると、健康的な食事に手の届かない人びとの数は1億1200万人増加し、2020年には約31億人に達しています。

国連WFPの食料・栄養分析科学部のサスキア・ドゥ・ピー部長は、健康的な生活を送るための食事が取れない人びとがいるということは、「何億人もの人ものひとびとが、栄養不良、健康不良、貧困の悪循環に陥る危険があるということです」と指摘します。「これは長期的には、人的資本の開発機会の減少につながり、次世代もが栄養不良に陥ってしまいます。」

「多くの人にとって、使えるお金がいくらあるのか、それで何が買えるのかという問題なのです」と、彼女は続けます。

「購買能力の格差を埋め、食料安全保障や栄養への直接的な影響を緩和するためには、すべての人が手を携える必要があります。政府、パートナー、民間セクター、市民社会、学術界が、人道と開発のつながり(humanitarian-development nexus)を中心として横断的に協力し、農業、社会保護、保健、教育システムを強化する必要があります。」

バングラデシュ: 食料支援の箱を抱える女性。彼女は、4月から5月にかけてシレットを襲った鉄砲水で家を失いました。
バングラデシュ: 食料支援の箱を抱える女性。彼女は、4月から5月にかけてシレットを襲った鉄砲水で家を失いました。 Photo: WFP/Sayed Asif Mahmoud

報告書によると、2021年には、世界中の女性の31.9%が中等度または重度の食料不安を抱えていたのに対し、男性は27.6%でした。

「思春期の女の子、特に妊娠中や授乳中の女性の栄養ニーズは非常に重要です」と、ドゥ・ピー部長は話します。「彼女たちの食事には、鉄、亜鉛、ビタミンB12など、より多くのミネラルやビタミンが必要なのです」

「食事のコストが上昇しています。すでに支出の60〜70%を食費が占めている場合、食費が30〜40%高くなると、人びとは食事量を減らし始めます。その結果、食事の質は、健康で生産的な生活を送るために十分なものではなくなります」と、彼女は続けます。

新型コロナウイルスのまん延による収入減がまだ織り込まれていないため、健康的な食生活へのアクセスはさらに制限される見込みです。また、インフレが消費者の食料価格に影響を与え、何百万人もの人びとが基本的な食料に手が届かなくなります。

イエメン: 53歳のアデルさんは、アビヤン州で毎月国連WFPの食料支援を受けている31万9000人の一人です。
イエメン: 53歳のアデルさんは、アビヤン州で毎月国連WFPの食料支援を受けている31万9000人の一人です。 Photo: WFP/Ahmen Altaf

「政府は物価を安定させるためには、あらゆることを行わなければなりません」とデ・ピー部長は言います。「国境を閉鎖して食料を国内に留め置くことは、すでに供給不足に陥っている国際市場が逼迫するのでやめるべきです。」

「また、購買力が極端に落ち込まないよう支援をする必要がでてきます。これは、世界銀行や国連WFPを含む多くの政府やパートナーが新型コロナウイルスの対応として行ったように、社会的支援プログラムの拡大を意味します」と付け加えます。

「低所得国では、栄養価の高い食料のコストが中所得国よりも高いという体系的な問題もあります。つまり、低所得国での食料システムの脆弱性、輸送や貯蔵に関する課題や、農家がリスクを取ってより日持ちのしない作物の生産に切り替えることができないという問題です。」 

「そして、特に米とトウモロコシの食事を対象に、少ない追加コストで主食に栄養価を加える栄養強化を増やしていくべきです」と、述べました。 

国連WFPは2022年に120カ国以上で1億5,200万人の人びとに支援を行うことを目指しています。女性や子どもの栄養不良を防ぐために十分な栄養のある食事を確保し、必要に応じて治療サービスを提供するなど、これまで以上に支援を必要としている家族の命を救い、生活を変えていくために、今年は過去最高の222億米ドルを必要としています。

世界の食料危機についての緊急警告

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