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国連WFPは、飢餓のない世界を目指して活動する国連の食料支援機関として飢餓とたたかっています。国連WFPは紛争や自然災害などの緊急時に食料支援を届けるとともに、途上国の地域社会と協力して栄養状態の改善と強い社会づくりに取り組んでいます。

国際社会が2030年までに飢餓を終わらせ、食料安全保障を実現し、栄養状態を改善すると約束しながら、世界の11人に1人がいまだに十分な食料を得られない状況で生活しています。食料支援および関連支援は、飢餓と貧困の連鎖を断ち切る闘いの中核を担っています。

飢餓との闘いへの功績、紛争の影響を受けた地域の平和に向けての改善への貢献や、戦争や紛争の武器としての飢餓利用を阻止する努力を原動力としての活動において、国連WFPは2020年にノーベル平和賞を受賞しました。

2020年、国連WFPは84カ国で、2012年以来最大となる1億1550万人を支援しました。

国連WFPは日々5,600台のトラック、30隻の船、100機の飛行機を動かし、支援を最も必要としている人々に食料その他の支援物資を届けています。毎年届ける食料の量は約150億食に上り、1食あたりの平均コスト(推定)は0.61米ドルです。こうした数字は、最も困難な環境で大規模な支援を速やかに実行する緊急支援の担い手として高い評価を得ています。

国連WFPの活動の重要分野は、緊急支援復興支援開発支援および物資輸送です。活動の3分の2は紛争の影響を受けている国で行われ、そういった地域で暮らす人々が栄養不足に陥る可能性は紛争のない国の3倍にもなります。

国連WFPは、多くの場合、緊急事態においていち早く支援を提供する機関で、戦争、内戦、干ばつ、洪水、地震、ハリケーン、農作物の不作および自然災害の被災者に食料支援を届けます。状況が落ち着いてくると、暮らしや生計手段を再建する地域社会の手助けをします。また、緊急支援に長期的な開発の視点を取り入れ、長引く危機に翻弄される人々に対して、強い地域社会をつくるための支援にも取り組みます。

国連WFPの開発支援は栄養支援、特に母親と子どもに重きを置いています。生命が母体に宿ってから2歳の誕生日までの最初の1,000日間を対象にすることで最も早い段階からの栄養不良に取り組み、その後は学校給食プログラムを通じての支援も行います。

国連WFPは学校給食の提供者として世界最大の人道支援組織で、これまで50年にわたり活動を続けています。2020年、国連WFPは1,500万人の子どもたちに学校給食を提供しましたが、その多くは最も支援が届きにくい地域でした。

さらに、国連WFPは2020年420万トンの食料、21億米ドルの現金と食料引換券を提供しました。できる限り地産地消に近づけるよう購入することにより、輸送コストにかかる時間と費用を節約でき、また持続的な地域経済の実現にも役立ちます。さらに現金・電子マネー・食料引換券を使った食支援を行うことで、支援を受ける人々は地元の店舗で自分たちの食べるものを選び、ニーズを満たすことができるようになっています。

また、国連WFPは他の人道支援機関に対しても物資輸送や情報通信サービスを提供しています 。これには、国連人道支援航空サービス(UN Humanitarian Air Serviceによる旅客航空輸送も含まれ、世界中で280を超える目的地に飛行しています。

国連WFPの活動はすべて任意の支援金で賄われており、2020年に集めた支援金は全体で84億米ドルに達しました。世界中で約20,000人の職員が働いており、その約90パーセントが、実際に支援が行われているの開発途上国を拠点にしています

国連WFPの運営は加盟国 36カ国からなる国連WFP執行理事会により行われています。同じくローマに本部を置く2つの国連姉妹機関、国際連合食糧農業機関および国際農業開発基金と密接に連携して活動しています。また、900を超える国際・現地NGOと連携して食料支援を提供し、その根底にある飢餓の原因とたたかっています。