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ウクライナの現状

ウクライナでは、戦火の中、多くの人が避難を余儀なくされ、インフラの破壊やサプライチェーンの寸断によって国の経済に大きな影響が出ています。国連WFPの推計によると、3世帯に1世帯が十分な食料を確保できておらず、東部と南部の一部地域ではその数は2世帯に1世帯まで増加しています。

同国では、500万人以上の人びとが国内避難民となっており、600万人近くがヨーロッパで難民として生活しています。ウクライナ国内、特に前線に近い地域に残った人びとの多くは、仕事などの生計手段を失っています。避難先から帰還した人びとも、資金が底をついたり、家が瓦礫と化すなどして、生活再建に苦労しています。

戦争とインフラ破壊によるエネルギー危機は、ウクライナ国内の食料生産とサプライチェーンを混乱させ、東部と南部の多くのコミュニティでは食料を安定的に手に入れることが難しい状況です。

2022年3月以来、国連WFPは現地のパートナー組織と直接提携しながら、戦争で避難したり影響を受けたりした家族に22億食に相当する食料と現金支援を配布しました。

ウクライナと国境を接するモルドバには、女性や子ども、高齢者を中心にウクライナからの難民が推定9万8000人残っており、すでに脆弱なモルドバの経済に圧力をかけています。国連WFPは、国内の避難民受け入れセンターで温かい食事を提供するとともに、避難民を受け入れている家庭には現金を支給しています。

ウクライナは世界的な穀倉地帯のひとつで、戦争前は年間4億人を賄えるほどの食料を生産していました。戦争の影響で食料価格が高騰する中、食料支援を必要としている国々への供給が大幅に削減されています。国連WFPは黒海の港の再開を支援し、合意が成立してからは、ウクライナから深刻な食料不足に苦しむ国々に穀物を輸送するために24時間体制で活動しています。国連WFPは黒海穀物イニシアティブの下で24隻以上の輸送船をチャーターし、ウクライナの小麦を必要としている国々に輸送できるようにしました。

国連WFPのウクライナ(および周辺国)緊急支援

現金支援
国連WFPは、銀行が機能し、食料が簡単に手に入る場所であれば、現金による支援を優先しています。現金支援は、人びとに食べ物の選択肢を与えられるほか、地域経済の活性化にも貢献できます。2022年3月以降、国連WFPはウクライナ国内で260万人以上に4億5000万米ドル以上の現金支援を行いました。
食料支援
国連WFPは、商業的な供給網が途絶え、食料へのアクセスが不安定な支援困難地域や戦闘が激しい前線地域では、食料セットやすぐに食べられる食料の配給を行っています。食料セットには通常、小麦粉や米、パスタ、ヒマワリ油、砂糖、豆や肉の缶詰が入っています。国連WFPはこれらの食料のほとんどをウクライナ国内で購入し、地元のパン屋と協力してパンの供給を行っています。
モルドバ共和国でのウクライナ難民への支援
国連WFPは、モルドバの受け入れセンターで暮らすウクライナ難民に毎日温かい食事を提供しています。またウクライナ難民を受け入れているモルドバの家庭1万3000世帯以上に現金支援を行っています。
緊急通信・ロジスティクス
国連を代表して、国連WFPは、物流クラスターおよび緊急通信クラスターのリード機関として、ウクライナの人道的物流と通信サービスの調整を行っています。物流クラスターは、物流サービス、施設、アクセスの制約に関する情報を集約、共有し、道路輸送、貨物配送、保管サービスを提供し、人道的輸送隊の貨物整理と計画を支援します。

支援方法

国連WFPは、国内および近隣の紛争から逃れてきた人びとを支援するため、緊急にあなたからの支援を必要としています。
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