11. 支援(しえん)の現場(げんば)で働く


 

協調性(きょうちょうせい)と丈夫(じょうぶ)な心と体が大切
 このシリーズを読んできた人の中には、支援(しえん)の仕事に興味(きょうみ)を持ってくれた人もいるかもしれませんね。今回は、支援の仕事の特徴(とくちょう)や必要な能力(のうりょく)についてお話しします。
 まず大事なのは、周りの人とみとめあい、協力しあうチームワークです。
 支援の仕事といっても、さまざまな種類があります。支援活動の計画を立てる人。物資(ぶっし)の買い付けをする人。輸送(ゆそう)をする人。無線やインターネットなどの通信を担当(たんとう)する人。いろいろな国や会社から資金(しきん)を集める人。お金の出し入れを管理する人。契約書(けいやくしょ)を書く人。活動を宣伝(せんでん)する人など、いろいろな係の人が協力してはじめて支援の活動が行えるのです。

 

たくさんの係、国籍(こくせき)…危険(きけん)な目にも
 職員(しょくいん)の出身国もいろいろです。国連WFPの、ある事務所(じむしょ)で数えてみたら、77か国の人がいっしょに働いていたそうです。ちがいを尊重(そんちょう)した上で仲間としてみとめあうことが大切です。
 また、英語などの語学力や、さまざまな人と仲良くできる能力も重要です。支援を受ける現地(げんち)の人や職場(しょくば)の仲間の話を聞き、自分の意見を上手に伝えることで支援活動がうまく進みます。
 丈夫(じょうぶ)な心と体も必要です。仕事の種類によっては、災害(さいがい)などが発生した次の日には飛行機に乗って被災地(ひさいち)にかけつけなければなりません。テントに寝袋(ねぶくろ)で寝泊(ねと)まりし、非常食(ひじょうしょく)を食べながら仕事をするのです。外国の食べ物でも好ききらいなく何でも食べ、どこでもねむれる人は向いています。また、山地が多い国で働く場合、登山の練習が必要になる場合もあります。

大地震(だいじしん)の被災地(ひさいち)でキャンプ生活をしながら支援(しえん)に
あたった国連WFPの職員(しょくいん)。非常食(ひじょうしょく)を食べています
飛行機にロープをはって洗濯物(せんたくもの)をほすなど、
職員(しょくいん)も生活を工夫します
どちらも2010年、中南米の島国ハイチで


 戦争が行われている国では、銃(じゅう)をつきつけられるなど危険(きけん)な目にあうこともあります。また、出歩くと危険なため、仕事をする場所のすぐ近くの寮(りょう)に住み、そこから自由に外出できない場合も多くあります。また、このような場所では家族といっしょに住めず、単身赴任(たんしんふにん)となります。数週間に一度、休みがもらえますが、転勤(てんきん)も多く数年ごとに新しい国に引っこさなければなりません。ストレスに負けない強い心が必要です。

 

「充実(じゅうじつ)、星もきれい」
 国連WFPではアジア、アフリカなどでおよそ60人の日本人が活躍(かつやく)しています。ある日本人職員はこういいます。
 「生活は決して楽ではないけれども、遠くの小さな村から何時間も歩いて食べ物をもらいに来る人を見ると、仕事のやりがいを感じます。人の中で、人とともに、人のためにする仕事の充実感(じゅうじつかん)、そして住んでいるテントを包みこむ星空はすばらしいです」

 

※この記事の原文は2013年6月に朝日小学生新聞に掲載されました。

 



子どもページ「飢(う)えのない世界を」

1. 「飢(う)え」ってなに?2. なぜ飢(う)えてしまうの?3. 国連WFPの緊急支援(きんきゅうしえん)
4. シリアはいま5. 栄養が貧困脱出(ひんこんだっしゅつ)のかぎ6. 給食がかなえた夢(ゆめ)
7. 支援(しえん)を「卒業」する8. アフリカで農家の支援(しえん)9. 支援物資(しえんぶっし)をどう運ぶ?
10. 「進化」する支援方法(しえんほうほう)11. 支援(しえん)の現場(げんば)で働く12. 世界とつながろう