9. 支援物資(しえんぶっし)をどう運ぶ?


 

あの手この手で必要な地域(ちいき)に早く
 支援(しえん)が必要な地域(ちいき)に食べ物などの支援物資(しえんぶっし)をとどけるとき重要なのは、どうやって運ぶかということです。というのも、支援が必要な場所は、たいてい行くのがむずかしいところだからです。
 たとえば、地震(じしん)でがれきにおおわれてしまった地域。洪水(こうずい)で水びたしになってしまった地域。戦争中のところ。地雷(じらい)がうめられた地域。道路のない村などです。
 このような場所に短い時間で大量の食べ物を運ぶために、国連WFPはいろいろな輸送(ゆそう)の方法を使います。

 

道なき道、飛行機やゾウも活躍(かつやく)
 最も基本的(きほんてき)な輸送方法は、船で港まで食べ物を運び、そこから道路を使ってトラックで運ぶやり方です。これは一番安く運べます。
 でも、道路といっても日本のように通りやすい道路はほとんどありません。でこぼこ道、ぬかるんだどろ道、ひどい雪道、一歩まちがえば、がけを落ちてしまうような山道などを通っていくのです。そのためトラックは何台も列をなして進み、どろや雪にはまってしまったときなどは運転手さんが協力しあってとどけます。
 でも、戦争のためあぶなくて道路を通れなかったり、地震や洪水などでそもそも道路が使えなくなったりしている場合は、飛行機で空から食べ物を落とします。
 落とす場所に目印をつけ、飛行機のおしりを開けて、食料の入ったふくろを、目印に向かって落とすのです。

飛行機から食料のふくろを落とす方法も=アフリカ北東部の国、スーダンで
WFP/Alexander Joe


 また、車が入れない細い山道などでは、ロバやゾウなど動物の背中(せなか)に食べ物をのせて運びます。
 戦争や災害(さいがい)などで道路や橋、鉄道、港などがこわされて使えなくなっている場合は、まずそれを修復(しゅうふく)します。地雷がうまっていれば取りのぞきます。
 国連WFPはこうして毎日、飛行機60機、船40せき、トラック5千台を世界中で動かし、行くことすらむずかしいような場所に食べ物をとどけています。

道らしい道がなくても、ゾウの背中(せなか)にのせて食料を運びます
東南アジアの国、カンボジアで
WFP/Jim Holmes

 

世界5か所に倉庫
 また国連WFPは、国連全体やさまざまな支援機関の中で、支援物資輸送のリーダーをつとめています。緊急時(きんきゅうじ)には医薬品や毛布(もうふ)など、ほかの機関の支援物資をかわりに運ぶこともあります。
 また、すぐに支援物資を送れるよう、さまざまな支援機関が物資を保管(ほかん)しておける大きな倉庫を、世界で5か所運営(うんえい)しています。
 ここには、テント、ランプ、通信機器、仮設(かせつ)の建物がつくれるプレハブの資材(しざい)など、あらゆる支援物資が備蓄(びちく)されています。緊急時にはいろいろな支援物資をいっしょに飛行機に積みこみ、一度に被災地(ひさいち)に運べるので早く支援ができます。
 支援を必要としている人がいれば、それが世界のどこであってもいち早くとどける。この使命のために、たくさんの工夫があるのです。

 

※この記事の原文は2013年6月に朝日小学生新聞に掲載されました。

 



子どもページ「飢(う)えのない世界を」

1. 「飢(う)え」ってなに?2. なぜ飢(う)えてしまうの?3. 国連WFPの緊急支援(きんきゅうしえん)
4. シリアはいま5. 栄養が貧困脱出(ひんこんだっしゅつ)のかぎ6. 給食がかなえた夢(ゆめ)
7. 支援(しえん)を「卒業」する8. アフリカで農家の支援(しえん)9. 支援物資(しえんぶっし)をどう運ぶ?
10. 「進化」する支援方法(しえんほうほう)11. 支援(しえん)の現場(げんば)で働く12. 世界とつながろう