1. 「飢(う)え」ってなに?


 

栄養不足、世界で9人に1人
 いま、世界では9人に1人、数にして8億500万人が飢(う)えています。そんな世界を、あなたはどう思いますか?
 わたしたちWFP国連世界食糧計画(ダブル・エフ・ピーこくれんせかいしょくりょうけいかく:国連WFP)は、飢えのない世界をめざして、世界70か国以上で毎年1億人近くに食糧(しょくりょう)を配っている、国連の組織(そしき)です。これから、世界の飢えの現状(げんじょう)や、どうやったら飢えをへらせるかを考えていきましょう。

テープで幼児(ようじ)の二の腕(うで)の太さをはかります。
赤いしるしのところだと深刻(しんこく)な飢(う)えの状態です(イエメンで)
WFP/Abeer Etefa

 

食べられず勉強や運動もできない
 そもそも、飢えって何でしょう。おなかがすいていること? いえいえ、それよりも深刻(しんこく)です。飢えとは、食べものや栄養が足りず、身長に対してちょうどいい体重をたもち、軽い活動に必要なカロリー数がとれない状態(じょうたい)が続くことです。
 世界には、1日に1度しか食事がない子どもがいます。おなかを満たすために、かびが生えたものを食べたり、何日も食べるものがなかったりすることもあるのです。
 おなかがすいて栄養が足りない状態が続くと、勉強や仕事をする力が出ません。また、病気にかかりやすくなり、軽い病気で命を落としてしまうこともあります。
 おなかの中に赤ちゃんがいる女性(じょせい)では、その赤ちゃんが順調に育たなかったり、生まれた後も栄養のある母乳(ぼにゅう)が出づらかったりします。
 栄養が足りない子どもは体や脳(のう)の成長がおくれがちで、体格(たいかく)が小さいままだったり、勉強についていくことがむずかしくなったりすることもあります。
 では、どうやって飢えを判断するのでしょうか。5才未満の子どもの場合は、特別な色がついたテープを二の腕(うで)、つまり肩(かた)とひじの間にまき、その太さで判断(はんだん)します。二の腕の周囲が11.5センチ未満の、赤く色づけされた範囲(はんい)に入ってしまう細さだと、深刻な飢えの状態です。
 周囲が11.5センチということは、直径は3.6センチあまり。このテープは、みなさんよりも小さな子どもに使うものですが、あなたの腕とくらべてみれば、とても細いことがわかるでしょう。

 

生まれた国で差が
 この世界地図は、世界の飢えの状況を表したものです。どれぐらいの人が飢えているか、国別に色でしめしてあります。あずき色でぬられた国では、3人に1人以上が飢えに苦しんでいます。

栄養不足の人は100人あたり何人?
あずき色=35人以上、
赤=25~34人、
こいオレンジ色=15~24人、
うすいオレンジ色=5~14人、
黄緑=5人未満、
こいグレー=データなし、
うすいグレー=データ不足。
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 あなたのクラスの3人に1人が飢えていたら……と想像(そうぞう)してみてください。地図上の、あずき色の国や、赤の国の一部では、じっさいにそういう現実(げんじつ)が起きているのです。
 一方で、日本など黄緑色の国では、飢えている人はほとんどいません。世界のどこに生まれたかで、大きな差があるのです。
 そんな世界を変えて、すべての人がきちんと食べられる世界をつくりたい。国連WFPはそう考えています。

 

※この記事の原文は2013年4月に朝日小学生新聞に掲載されました。

 



子どもページ「飢(う)えのない世界を」

1. 「飢(う)え」ってなに?2. なぜ飢(う)えてしまうの?3. 国連WFPの緊急支援(きんきゅうしえん)
4. シリアはいま5. 栄養が貧困脱出(ひんこんだっしゅつ)のかぎ6. 給食がかなえた夢(ゆめ)
7. 支援(しえん)を「卒業」する8. アフリカで農家の支援(しえん)9. 支援物資(しえんぶっし)をどう運ぶ?
10. 「進化」する支援方法(しえんほうほう)11. 支援(しえん)の現場(げんば)で働く12. 世界とつながろう