4カ国、2千万人が飢きんの危機に直面(7月27日更新)

Published on 26 July 2017

WFP/Philipp Herzog

今、世界は前代未聞の食糧危機に直面しています。今年2月に南スーダンで宣言された最悪レベルの飢餓を示す「 飢きん 」は、6月に鎮静化したと発表されました。それでも依然、南スーダンでの食糧不足の差し迫った状況が続いていることは変わりなく、緊急に支援を必要としている人は、2月時点の490万人から600万人へと増えています。イエメン・ソマリア・ ナイジェリアも飢きん発生寸前の厳しい状況です。この4カ国では、飢えやそれに伴う病気が原因で、すでに尊い命が失われています。 飢きん 」を打破するには、今こそ行動が必要です。

4カ国では2千万人が支援を必要としており、140万人以上の子どもが深刻な栄養不良に陥っています。そのうち60万人は、適切なケアが受けられなければ命を落とすとみられています。2017年下半期に緊急支援を続けるため、国連WFPは、緊急に10億米ドルを必要としています。

南スーダン

  • 2011年に独立を果たした世界一「若い」国家の南スーダンは、最も開発が遅れている国でもあります。2013年末に紛争が再燃して以来、230万人以上が家を追われ、その数は、今も増え続けています。食糧不安はかつてないレベルに達し、一刻を争う状況が続いています。
  • 戦闘のため長期間にわたり支援が届けられなかった北部の一部地域では、約4万5千人が飢きんの一歩手前の状態です。6月現在、南スーダン全土で緊急に食糧支援を必要としている人は、2月時点の490万人から、全人口の半分にあたる600万人へと増えています。
  • 5月からはじまる雨季の間は、国内の道路の60%以上が水没し通過できなくなるため、空中投下などの方法で食糧を届ける必要があります。国連WFPは民間企業と連携して新しい空中投下の方法などを編み出し、輸送困難な地域への物資輸送を改善してきました。が、輸送コストは陸路を使う場合と比べて7倍かかり、さらなる資金が必要です。
  • さらに、次の収穫期を前に食糧の備蓄が底をつく時期が7月にピークを迎えることを受け、状況が一層悪化することが予想されます。国の穀倉地帯であった南西部では、農民たちは紛争を避けるために国境を越え近隣諸国に逃れることを余儀なくされ、国の穀物生産が記録的な不足に見舞われると予測されています。
  • 国連WFPは、2017年12月まで南スーダンでの支援活動を継続するため、1億5,700万米ドルを必要としています。また、戦闘や食糧不足を避け、近隣諸国へ逃れた南スーダン難民もここ3年間で約200万人にのぼり、増加の一途をたどっています。ウガンダやケニア、エチオピアでの南スーダン難民への支援も一刻を争い、資金難に面する国連WFPは、やむを得ず支援を必要とする人びとへ配給する食糧の量を減らす形で対応しているのが現状です。

<過去記事>

イエメン

  • イエメンは、栄養不良の割合が世界で最も高い国の一つです。もともと中東の最貧国ですが、2015年3月以降の紛争の激化に伴い国内の状況は著しく悪化し、人々の生活は壊滅的な影響を受けています。現在イエメンは、これまでにない規模の食糧不安に陥っており、全人口の3分の2にあたる1,700万人以上が食糧難(このうち、680万人は特に深刻な状態)に苦しんでいます。子どもと女性への影響は極めて深刻で、100万人以上もの子どもと妊産婦が急性栄養不良に陥っており、病気にかかったり命を落としたりする確率が高まっています。
  • また、イエメンではコレラが蔓延し、予断を許さない状況です。
  • 国連WFPは資金難により、支援を必要とするすべての人々に十分な支援を届けられない状態が続いています。飢きんに陥る危険性が最も高い場所以外では、緊急支援を必要とする290万人に対し、支援食糧の量をやむを得ず60%に減らす形で対応しています。
  • 2017年12月までイエメンでの支援活動を継続するためには4億4,420万米ドルが至急必要です。

<過去記事>

ソマリア

  • 過去20年間以上、ソマリアは度重なる暴力、政情不安、経済危機、そして自然災害に襲われ、深刻な飢餓と栄養不良状況が続いています。2011年に発生した飢きんからようやく回復の兆しが見えかけていた今、ソマリアは再び干ばつと食糧危機に見舞われています。
  • 雨季が連続して少雨に終わったため、農村部では不作が続き、家畜が死んでいっています。その結果、多くの人々が食糧を求めて移動を強いられています。320万人が緊急に食糧支援を必要としており、地域によっては、5歳未満の子どもの30%が栄養不良状態に陥っています。
  • 国連WFPは、2017年12月までソマリアでの支援活動を継続するため、3億6,600万米ドルを必要としています。資金が得られなければ配給カットをせざるを得ず、120万人の母子が栄養支援を受けられなくなる見通しです。

<過去記事>

ナイジェリア(及びチャド湖畔一帯地域)

  • ナイジェリア北東部を含むチャド湖畔一帯では、以前から人々を苦しませている極度の貧困、開発の遅れ、そして気候変動に加え、ここ数年のボコ・ハラムによる暴力も相まって、世界でも有数の人道危機が起きています。
  • しかし、その危機は世界から見過ごされており、結果として240万人以上が家を追われ、元々世界で最も貧しい地域の一つであるチャド湖畔一帯に避難しています。特に影響が大きいナイジェリア北東部は、5万人が飢きんのような状況にすでに陥っています。ナイジェリア北東部全体ではおよそ520万人が食糧支援を必要としています。6月から8月にかけては、収穫を前にして食糧の備蓄が底を突き、最も食糧難が深刻となる季節を迎えます。
  • さらに、カメルーンに退避していたナイジェリア難民が大量に戻りつつあるため、国連WFPや他の支援団体は食糧支援や庇護、生活再建支援などの対応を迫られています。
  • 現在、国連WFPは資金難により、支援を必要とするすべての人々に十分な支援を届けられない状態です。一人当たりの食糧配給の量や現金支援の額を減らしたり、幼児の支援は2歳未満児に限定したりするなど、厳しい選択を迫られています。
  • 国連WFPは、2017年12月までナイジェリア及びチャド湖畔一帯での支援活動を継続するため、1億9,100万米ドルを必要としています。

<過去記事>

▼飢きんとは

飢餓の深刻度を示す5段階のうち最も深刻な飢餓を指し、主に以下の3つの指標で判断されます。

①20%以上の世帯が極端な食糧不足に直面

②5歳未満児の30%以上が急性栄養不良

③人口1万人あたり毎日2人(5歳未満児の場合は4人)以上が死亡

 

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