学校給食プログラム まとめ

Published on 15 March 2016

写真:WFP/Agron Dragaj

国連WFPは学校給食がどこでも当たり前に食べられる世界を目指しています。給食は、全ての子どもたちが栄養をとり、健康に教育を受けることを可能にする、効果的な社会保障です。飢餓のない世界を目指すうえで、学校給食支援は次世代の未来を形づくる効果的な支援方法です。国連WFPが世界中で取り組んでいる学校給食プログラムを、ダイジェストでご紹介します。

1.学校給食支援における国連WFPの役割とは?
国連WFPの役割は大きく2つあります。ひとつは、子どもたちに国連WFPが直接、学校給食を届けること。そして、もうひとつは、最も弱い立場にある人々に対して社会保障を提供し、就学率を向上させる鍵として、現地政府が主体となって学校給食プログラムを推進できるよう、制度構築などをサポートするということです。学校給食支援における国連WFPの役割は、現地政府が質の高い学校給食を提供するために必要な政策・財政的な手段を得られるよう、年々、技術支援へとシフトしてきています。

2.国連WFPは何カ国、何人の子どもを学校給食支援しているの?
国連WFPが過去数年間の間に行った学校給食支援では、1800万から2500万人の子どもたちが支援を受けています。主な対象は小学生で、支援を受ける子どもの男女比はおよそ同数です。現在、国連WFPでは、何らかの支援活動を行っている国のほぼすべて、74カ国で学校給食支援を行っています。9カ国では現地政府への技術支援のみを行っています。

3.学校給食として、どのようなものが提供されるの?
国連WFPが支援する「学校給食」は必ずしも食事ではありません。学校給食支援には、朝食や昼食、栄養強化ビスケットなどの軽食、そして子どもたちが家族のために家庭へ持ち帰る食糧や現金も含まれます。「持ち帰り食糧」と呼ばれるこの支援方法では、米や栄養強化された食用油などが配布されます。また、学校給食の食材を地元の生産者から仕入れることもあり、その場合、地域住民の理解促進が進み、新鮮で種類に富んだ食材を使って学校給食を提供することが可能になります。

4.学校給食プログラムの主な目的は?
学校給食支援には様々な効果があり、かつ現地の必要性に合わせて実施することが可能です。

  • セーフティーネットとして:学校給食支援は最も広く、世界中で行われている生活保障の取り組みです。学校給食支援を通して家族は子どもたちを学校に通わせ、同時に食糧を確保することができるのです。子どもたちが健康で生産性の高い大人に成長できるよう後押しすることが、「飢餓や貧困の悪循環」を断ち切ることにつながります。
  • 教育的効果:毎日の学校給食があることで、子どもたちは空腹を感じずに勉強に集中することができます。また、就学率や出席率の上昇、退学率の減少、また、子どもたちの認知能力向上などの効果も見られています。さらに、教育に機会に関する男女格差がある地域では、学校給食に加えて持ち帰り食糧も提供することで、女児が学校に通う動機づけを強めることができます。
  • 栄養改善:貧しい国では、子どもたちが定期的に食べられる、栄養価の高い食事といえば学校給食のみという場合が多く、学校給食がなければ、飢餓や微量栄養素不足が子どもたちの身体の成長に取りかえしのつかない悪影響を与えかねません。加えて、虫下しや微量栄養素も同時に提供された場合は、さらに大きな効果が見込めます。思春期の少女や、HIVに感染したりエイズを発症したりした子どもなど、特定の栄養が必要な場合は、そういった栄養ニーズに合わせて給食を提供することで効果が増します。

5.長期的な学校給食による効果とは?
継続して学校教育を受け、適切な栄養を摂取した子どもは、学習能力があがり、就労の機会が増え、一生のうちに得る収入も多くなります。教育をより長く受けた少女は、健康な大人になり、のちのち健康な子どもを持つことができるのです。このように、学校給食支援は世代をまたいでその波及効果が表れます。

6.学校給食はどのように家族を支えますか?
子どもの家族に対しては、しばしば「持ち帰り食糧」という支援が行われます。これは、子どもが食糧や現金を自宅に持ち帰るという形をとります。また、給食が学校で提供されることで、家計にゆとりが生まれ、他の子どもたちの食費に充てたり、そのほか家庭に必要な使い道に回したりできるようになります。

7.国連WFPはどのような技術支援を行っていますか?
学校給食プログラムを持続的に運営できるよう、国連WFPは、学校給食プログラムを社会保障制度の中の一つの政策として構築していくこと、実施・運営の能力強化、そして、資金の確保という3つの分野で、現地政府を支援しています。市場構造や、様々な支援方法(現金や食糧引換券を提供するのか、あるいは食糧そのものを提供するのか)の効果の違いの分析も含まれます。国連WFPは南南協力、もしくは三角協力を通して、知識移転や知見の交換などの協力体制も進めています。

8.地産地消の学校給食支援とは?
地産地消の学校給食支援とは、地元で生産された食糧を購入し、学校給食支援に活用する支援方法で、子どもたちのみならず、農家や地域コミュニティにも利益がもたらされます。この支援方法は、新鮮な地元産の食糧を必要とする学校と小規模農家の間に、国内や地域における販売ルートを構築することで、農業開発を促進し、市場や経済を成長させることにつながります。

9.緊急支援における学校給食支援はどのように異なるの?
緊急事態においては、長期的な制度を構築することより、命綱となる栄養を子どもたちに届けることが目標とされます。学校給食は緊急事態や危機の最中においても、子どもたちが学校に通い続ける支えとなります。また、子どもたちを保護するとともに、一筋の希望を持ち続ける助けとなります。紛争や災害、食糧危機や経済危機の際には、国連WFPは学校給食支援を強化することがあります。