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アフリカ南部全域で4,500万人が気候変動危機により、飢餓に直面

クバタナ発育阻害防止センターにおける国連WFPの活動。ジンバブエ・ムタレ地区 写真:WFP/Matteo Cosorich
ヨハネスブルク/ロンドン 16カ国からなる南部アフリカ開発共同体の4,500万人-その大半が女性と子ども-が、繰り返される干ばつと広範囲にわたる洪水、経済的混乱による深刻な食料不足に晒されています。
危機の重大性が増すなか、人々の命を救い一帯が気候変動に適応できるように今、国際社会は力を合わせなければならない、と国連WFPは警鐘を鳴らしています。

「この度の飢餓は未曽有の危機レベルにありますが、今後更なる悪化を遂げるであろうと状況が示しています。」国連WFPの南部アフリカ地域局長ローラ・カストロは述べました。「例年通りサイクロンシーズンが始まりました。昨年のような前例をみない規模のサイクロンの被害が繰り返された場合、もう持ちこたえられないでしょう。」

カストロは続けました。「困難にある数百万の人々への即時支援が最優先事項ではありますが、頻度を増し壊滅的な被害をもたらす干ばつとサイクロンによる危機的事態からの回復(レジリエンス)力の構築こそが絶対に不可欠です。」

穀物の収穫期を迎える4月/5月に先立つ「リーンシーズン」(=収穫期直前に最も食料が不足する時期)の問題が深刻度を増すなか、絶望的な飢餓状態にある南部アフリカの数百万の人々への緊急支援、ならびに悪化を続ける気候変動に対し、耐久性を得るための地域の脆弱性克服に向けた長期的支援、この両者を国際社会はより迅速に執り行う必要があります。

気温上昇が世界平均の2倍もの伸びをみせ、減少し続ける降雨に全てを依存する自給自足農家にその食料生産の殆どを頼る南部アフリカですが、過去5年間で1度しか通常の穀物の生育期を迎えられていません。今年の降雨も多くの地域でやはり遅れており、専門家は今後も暑く乾燥した天候が続くと予報し、さらなる不作が見込まれます

国連WFPは「危機的状況」または「緊急事態」レベルの飢餓状態にあって特に被害の多いジンバブエ、ザンビア、モザンビーク、マダガスカル、ナミビア、レソト、エスワティニとマラウイ8カ国で飢えに喘ぐ830万の人々に対しリーンシーズンの間の支援を計画しています。

これまで、国連WFPは支援に必要とされる4億8,900万米ドルのうち2億500万米ドルしか確保できておらず、支援実施のために内部の借入れに大きく頼らざるを得ません。

ジンバブエは過去10年で最悪の飢餓の危機に直面しており、770万人-全人口の半数-が深刻な食料不安を抱えています。長い間一帯の穀倉であり続けていたザンビアも、今では穀類の輸出を制限し、外部からの支援受け入れに転じており、20%の人々が食料不足です。干ばつの直撃を受けたレソトの人口の20%、そしてナミビアの10%の人々も酷い空腹に苛まれています。

栄養不良、人口増加、格差、そしてHIV/AIDSがすでに高い割合を示す状況下で、急激な食料価格の上昇、大規模な家畜の損失ならびに失業の増加が飢餓の緊急事態に追い打ちをかけています。一帯の家族は食事の量や回数を減らし、子どもの通学をやめさせ、貴重な所有財産を売り払い、借金苦に陥っています。

「必要とする支援額を満たせなかった場合は、支援対象の人数や量を減らす以外に手立てはありません。」とカストロ国連WFP南部アフリカ地域局長は語ります。「そして、気候変動という実存する危機に対抗していくために不可欠である長期的な対策を適切に拡大することも難しくなるでしょう。」

 

危機的状況にある各地の様子はこちらから


 

気候変動の影響を受け、深刻な飢餓に苦しむ南部アフリカを救うために、 皆様のご支援をお願いします。

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