コンゴ民主共和国 紛争により770万人が食糧難に

Published on 17 August 2017

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【2017年8月14日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)発】国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(国連WFP)は本日報告書を発表し、コンゴ民主共和国における暴力の蔓延で避難民が増加する中、この1年間で3割増となる770万人が飢餓に直面している、と警告しました。

「総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)」の最新報告によると、2016年6月から2017年6月の1年間で、緊急食糧支援を必要とする人数が590万人から770万人へと、180万人増加しています。この数字に含まれているのは、食糧事情を「概ね安定、やや不安定、危機、緊急事態、飢きん」の5段階に分類した場合に、最悪のレベルの「飢きん(レベル5)」寸前である「緊急事態(レベル4)」および「危機(レベル3)」の状態にある人々です。

これは、農村部に暮らす10人に1人以上が急性の飢餓に苦しんでいることを意味します。同国中部および東部、主に戦闘が繰り広げられているカサイ州やタンガニーカ州では、紛争や避難民の拡大と長期化により、飢餓がますます広がっています。過去1年間に、140万人もの人びとが家を追われました。

また報告書は、作物を荒らすヨトウムシの蔓延に加え、コレラと麻疹の流行が人道的状況をさらに悪化させていると指摘しています。

報告書によると、紛争がはびこる地域では、150万人以上が「緊急事態(レベル4)」の食糧不安に直面しており、所有物を売ったり、食事を抜いたり、もしくは減らしたりすることを余儀なくされています。

「紛争地域では、農民は自分たちの村や農地が略奪されていくのを目の当たりにしています。彼らは2期にわたって作付けができませんでした。そのため、地元市場に出回る食糧も不足がちです。紛争に加え、作物に打撃を与えるヨトウムシの蔓延が、広大な国土の4分の1にまで及び、農村部に壊滅的な被害をもたらしています。緊急支援を早急に実施しなければ、状況はさらに悪化することは目に見えています」とFAOコンゴ民主共和国の臨時代表アレクシス・ボンテは言います。

「農民、とりわけ家を追われた人々(大半が女性と子ども)には食糧支援が急務となっています。また、彼らが農業を再開して自活できるよう、農具や種子などの支援も必要です。現在避難している女性の多くは、夫を失いました。彼女たちにとって、農業は立ち直り、尊厳と希望に満ちた未来を手に入れるための手段なのです」とはボンテの談。

急激な飢餓への対応

飢餓が蔓延する地域では、5~8割の人びとが何とか家計をやりくりして、食物を手に入れるためにあらゆる手を尽くしている状況です。1日1食しか食べることができず、食べられたとしてもトウモロコシやキャッサバ、ジャガイモばかりで、1日に必要な栄養やカロリーを摂取できない、という地域もあります。過去3か月間に食料価格が高騰し、デンプン質や植物の葉しか食べられない場合もあります。

それ以外の人びとも、食事の量を減らしたり抜いたり、財産を売ったり、借金をしたり、家族に物乞いや食べ物をわけてもらうよう強いらざるを得なかったりと、最終手段に出なければならない状況に置かれています。

同国では、5歳未満の子どもの43%が慢性的な栄養不良状態にあり、その数は700万人以上に及んでいます。

370万人にも及ぶ国内避難民の大量発生、加えて隣国からの止まることのない難民の流入は、すでに資源が枯渇していたところにさらなる負荷をかけ、さらに国内145地域のうち50地域で被害が出ているヨトウムシの蔓延により、食糧不安がより一層深刻化しています。

昨今の状況の悪化は、カサイ州の人びとをさらなる窮地に追い込んでいます。「国連WFPは、コンゴ民主共和国の多くの地域で食糧と栄養事情が悪化していることについて非常に憂慮しています」と、国連WFP同国事務所代表のクロード・ジビダーは述べています。「カサイ州ほど憂慮すべき状況にある地域はありません。私たちはすべての当事者に対し、命を救う支援活動に必要な通行許可を求め、また差し迫ったニーズに対応するよう国際社会に求めます。」

緊急支援が急務

FAOと国連WFPは、命を救う食糧支援や栄養不良を改善する特別な栄養支援、それから農民が作付けを再開し、元の暮らしを取り戻せるよう種子や農具の提供といった早急な支援の増強を求めています。

カサイ州とタンガニーカ州の紛争地域では、FAOは人びとが避難している地域や避難民を受け入れているホスト・コミュニティに対し、迅速に食糧生産を向上し、栄養のある食糧の供給力を高めることができるよう、野菜の種子や手工具を支給しています。最終的に、自前の生計手段があるということは飢餓や災害に対する最良の防衛となるのです。2017年、FAOは飢餓に取り組み、食糧生産を回復させ、よりレジリエントな生計手段を構築するために、コンゴ民主共和国で210万人を支援することにしています。

他方、国連WFPはコンゴ民主共和国で最も脆弱な人びとへの支援を継続しています。カサイ州で最も状況が深刻な2つの地域ツィカパとカサイ中心部に職員を配置し、早々に食糧配給を予定しています。国内の他の地域では、幅広い人道支援団体に対して、空路や陸路輸送、燃料、倉庫を含む物資輸送支援を提供しています。

FAO駐日連絡事務所提供の日本語訳をもとにしています。