南スーダン、飢餓の中で最も深刻な「飢きん」が発生

Published on 22 February 2017

WFP/Jonathan Dumont

ジュバ発ー今月20日に飢きんが南スーダンの一部の地域では宣言され、戦争と経済崩壊によって10万人が飢餓に直面していると、国連の3機関が警鐘を鳴らしました。また、さらに100万人が飢きん寸前の状態にあるとされています。

ユニセフ(国連児童基金)、FAO(国連食糧農業機関)および国連WFPは、さらに多くの人々が飢餓で亡くなるのを防ぐために緊急的な行動が必要だと警告しました。継続的かつ適切な支援が迅速に提供できれば、数カ月で飢餓の状況は改善され、さらなる苦難を緩和することが可能です。

この深刻かつ拡大する食糧危機に対して、何らかの対策が取られなければ、 備蓄食料が底を突き食糧不足のピークが来る7月には、食糧難に陥る人の数は550万人に達すると見られています。

同日、政府および国連の3機関と人道支援のパートナー団体により発表された、総合的食料安全保障レベル分類 (Integrated Food Security Phase Classification、略称IPC)の最新報告によると、南スーダンの人口の40%を超える490万人が食糧、農業および栄養の分野で緊急の支援を必要としています。

国連3機関は、すでに飢きんに直面している人々および飢きんの危機に瀕している人々への制限のない人道支援が、拡大する大惨事を食い止めるために一刻も早く必要であると訴えました。飢きんの拡大を防ぐためには、人道支援の規模を拡大し、最も弱い立場にある人々に支援を届けなければなりません。

 WFP/Jonathan Dumont

飢きんは、現在南スーダン北中央部のユニティ州で発生しています。飢きんが正式に宣言されたということは、すでに人々が飢餓で死に始めていることを意味します。この状況は3年前に紛争が勃発して以来、最悪の飢餓による惨事です。

「南スーダンの一部では、飢きんという悲惨な現実が起こってしまいました。それは私達が最も恐れていた事態です。多くの家族はすでに生きるためのあらゆる手段を使い果たしています」とFAO南スーダン事務所代表セルジュ・ティソは述べました。「地域の人々の圧倒的多数は農民でしたが、紛争により農業は崩壊しました。彼らは家畜を失い、耕作用の機具までも失いました。彼らは何カ月も、周りに生えている植物や釣った魚に依存して生きながらえてきました」

栄養不良は、公衆保健上の重大な緊急事態であり、各地に広がる紛争、避難生活、保健サービスへのアクセスの制限や衛生施設の不足などによって深刻化します。IPCの報告では、調査をおこなった23郡のうち14郡で、全急性栄養不良(GAM)の割合が緊急事態を示す基準値の15%に相当するかそれ以上を示しており、いくつかの地域では42%という高い割合でした。

「南スーダン全土では、100万人以上の子どもが急性栄養不良に陥っていると推定されます。25万人以上の子どもはすでに重度の栄養不良に陥っています。もし、私たちが早急にこれらの子どもたちに支援を届けなければ、彼らの多くは命を落とします」とユニセフ南スーダン事務所代表ジェレミー・ホプキンスは言います。「私たちは、すべての紛争当事者に対して、最も弱い立場にある人々を支援し、さらなる人道的大惨事を引き起こさないためにも、人道支援団体が影響を受けている人々に無制限にアクセスできるよう強く求めます」

 WFP/Challiss McDonough

「この飢きんは人災です。国連WFPと人道支援コミュニティはみな、この大惨事を避けるために力を尽くしてきました。紛争が始まった3年前には考えられなかったほどの大規模な人道支援を展開してきました。しかし同時に、私たちは、人道支援従事者と危機に瀕している人々の両方にとって意味のある平和と治安確保がなされなければ、人道支援が達成できることには限界があると警告してきました」と国連WFPの南スーダン事務所代表のジョイス・ルマは述べました。「私たちは引き続き、この飢きんを食い止め、拡大を阻止するために、できる限りのことをしていきます」

3年間の紛争により南スーダン全土において、農業生産や農村での生活は深刻な被害を受けました。2016年7月からの暴力の激化は、かつて安定していた地域も含めて食糧生産に壊滅的な被害を与えました。毎年800%という急激なインフレーションと市場の破たんにより、従来から市場を通じて食糧を確保していた地域も打撃を受けました。都市の住民も、基本的食料品価格の高騰に苦しんでいます。

ユニセフ、FAO、国連WFPとパートナー団体は、紛争が始まって以降大規模支援活動を実施してきましたが、2016年には人道危機の最悪な影響を緩和するためにさらにその努力を強化しました。IPCの評価チームによると、北バハル・エル・ガザル州などでは、人道支援が飢きんのリスクを軽減したことを指摘しています。

国連WFPは2016年、南スーダンにおいて、同国独立以来、最も多い400万人という記録的な人数に食糧支援を行いました。人道支援の必要性が高まったことを受け、今後は、食糧難の時期に410万人を対象に食糧・栄養支援を行う予定です。活動には、緊急食糧配布、食糧購入のための現金配布、栄養支援、地域の復興自立支援、給食の提供などが含まれます。

日本ユニセフ協会提供の日本語訳をもとにしています。

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